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外反母趾

どんな病気?

外反母趾は簡単に言うと足のおやゆびが外側を向いている状態と言えます。もう少し正確なことを言いますと、先端の指の骨は外側を向いていますが、より近くにある中足骨という体に近くの骨は内側を向いてしまっています。一見、内側の足が出っぱって見えるのはそれが原因です。外反母趾は通常、年齢とともに悪化する傾向がありますが、適切な治療を受けることで軽減することができます。治療には、靴の補正、インソールの使用、適度な運動、ストレッチなどがあります。また、重度の場合は手術をすることもあります

原因は?

外反母趾は、足の骨や筋肉のバランスが崩れるようなことで発生します。遺伝的要因、自分の足にあっていない靴、体の偏りなどが原因となります。一番原因として言われているのはハイヒールです。ハイヒールは踵が浮くことによって体重が足の前の方にかかってしまうので、圧力が強くかかり、変形する方向に力がかかってしまいます。
また、長期的に足をに負担をかけること、スポーツなどでのトレーニングや負担の増加も原因となります。

治療

適切な靴を選んであげる: 足を安定させるために、より広いつま先を持つ靴や適切なインソールを使用することが大切です。当院では靴の選び方を教えてくれたり、実際の自分の足を計測してくれたりする靴屋さんに来てもらっています。院長自身もその靴屋さんで自分の足にシンデレラフィットした靴を履くことで最高の靴体験ができています。足の悩みも解消できました!!診療時は院長の靴も見てみてください。
また院内にもテレビの隣に靴も展示しております。

矯正用装具

矯正用の装具を装着することで、足のバランスを整え、外反母趾がより進行してしまうことを遅らせることができます。
ストレッチやエクササイズ: 足の筋肉(足部内在筋など)を鍛えることで、外反母趾の状態を改善することができます。他にタオルギャザー運動、足指でのジャンケン運動なども進行を遅らせることができます。現在当院ではシリコンを用いたスペーサーを作成しており、これにより外反母趾の増悪を防ぐことを進めています。自身の足にフィットした装具が作成できるので、痛みが少ないのが特徴です。日中で痛みを起こす場合は、夜間睡眠時だけでも装着してもらって良いかと考えています。

手術

重度の外反母趾の場合は、手術をすることもあります。手術には様々な方法が50以上あります。基本的には足指の骨を切ったり、筋肉を矯正したりすることなどが手術の基本となります。

曲がってしまった骨は自然に治ることは難しいと思います。子供の場合は成長ともに改善してくる可能性もありますので、注意深く定期的に診察をしますが、大人になると外反母趾は良くなることは期待できず、悪化する一方です。

外反母趾を出っぱっているところだけ削れば済むと考える方も多いですが、なかなかそうはいかずに骨を一旦切り離すような手術でないと治すことはできません。

当院では慶應義塾大学にて開発されたDLMO法を採用しており、骨を切った後にワイヤーを4週間ほど入れておく手術をおこなっております。足のおやゆびの付け根が痛いや、二番目の指をおやゆびが押してしまって、たこなどができてしまった方に、手術をおこなっています。
おおよそ1ヶ月でワイヤーは抜けて2ヶ月で通常歩行が可能となります。実際の症例写真を載せておきます。この方はおやゆびだけでなく、2番目の指も骨を切って短縮することで改善しました。4週間でワイヤーを抜いて2ヶ月で通常歩行をしてもらいました。非常に満足いただくことができました。

手術合併症

残念ながら、手術にはリスクもあります。

内反母趾

母趾が外側に向いているのを内側に向けるのが手術なのですが、それをやり過ぎると内側に向いてしまうことがあります。
内側に向いてしまうと靴が入りにくくなってしまうので、再手術が必要になることが多いです。
DLMO法でも報告はありますので、起きる可能性はあります。
外反母趾手術の5%くらいに生じます。

外反母趾の再発

元々外を向いていた足趾に対して骨を切ることで足の形を戻すのが外反母趾の手術ですが、矯正した角度が段々と戻ってしまうことがあります。
最初の1年が一番戻ってしまうことが多いので、注意が必要です。
外反母趾手術の5%くらいに生じます。

感染

足自体汗をかいたり、さらに靴下を履いて蒸れたり、汗をかいたりするので、清潔な状態であるということは少ないと思います。
さらに当院のDLMO法はwireを皮膚から外に出た状態になるので、感染を起こしやすい手術方法であります。
感染を予防するためには、清潔な状態を保つことが大事なので、生活指導なども行います。
感染を起こしてしまった場合は、wireが入っている限り感染が落ち着くことはないので、時期を見てなるべく早期にwireを抜いてしまいます。
あとは抗生剤を内服や点滴をすれば、感染は落ち着きます。
これはよくある合併症なので特に注意を払っています。
外反母趾手術の10%くらいに生じます。

深部静脈血栓症

エコノミークラス症候群って聞いたことありますでしょうか?
飛行機に長時間乗っていると下腿の静脈に血の塊である血栓が生じてしまうことを指します。
血栓ができるだけならいいのですが、それが血流に乗って肺の血管が詰まってしまうと肺塞栓症といいます。
そうなると呼吸の酸素変換ができなくなるので、危険な合併症です。
大腿骨の骨折の方が起きやすいのですが、外反母趾の手術でも起きる可能性があるので、予防が重要です。
どの病院でも弾性ストッキングやフットポンプという足を揉むような機械などを使って予防を行なっています。
外反母趾手術の1%くらいに生じます。

合併症の話をすると「恐ろしい」、「とても手術なんか受けられない」と思うかもしれませんが、ほとんどの人が何も起きずに治癒していきます。
しかし、どの人にも合併症が起きないように手術をしているにも関わらず、合併症が起きてしまう患者様がいることも事実です。
合併症が起きた場合でも最小限に被害が収まるように全力で対処させていただきますので、ご安心いただければと思います。

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