テニス肘
テニス肘とは
テニス肘は、肘の外側が痛くなる病気で、正式には「外側上顆炎」と呼ばれます。
テニスプレーヤーに多いことからこの名前がついていますが、テニスをしていない人にも起こります。
原因
この痛みは、手首を使う動きを繰り返し行うことで発生します。
例えば、スポーツだけでなく、料理をするときの包丁の使い方や、仕事で工具を使う動作など、日常生活の中で同じ手の動きを何度もすることが原因となることがあります。
これによって、肘の骨につながっている小さな筋肉が繰り返し引っ張られ、筋肉や腱(筋肉を骨につなぐ組織)に小さな傷が生じ、痛みが出るのです。
テニス肘の痛みは、手首を上に向けるときや物を握るときに特に感じやすく、肘を使うたびに鋭い痛みが走ることもあります。
痛みが出たときは、無理をせず肘を休ませることが大切です。
冷やすことや、適切なストレッチを行うことも、痛みの軽減に役立ちます。
誰でもなる可能性のあるテニス肘ですが、特に同じ動作を繰り返すことが多い人は注意が必要です。
日常生活での動き方を少し工夫するだけで、予防につながります。
テニス肘は、肘の外側に痛みが現れる状態を指します。
この痛みは、腕の筋肉が骨につながっている部分に負担がかかることで生じます。
特に手首を使う動作を繰り返すときに多く見られます。
テニス肘症状
テニス肘の症状としては、肘の外側が触ると痛かったり、何かを握ったり持ち上げたりするときに痛みが強くなることがあります。
たとえば、水筒を持ち上げる、ドアのノブを回す、またはペンで書くなどの動作が辛くなることがあります。
この痛みは徐々に悪化することもあれば、急に強く感じることもあります。
テニス肘の痛みは、肘だけでなく腕全体に影響を及ぼすこともあります。
手首を使う動きをするたびに、肘から手首にかけて不快感や鋭い痛みを感じる人もいます。
時には、痛みがあまりにもひどいために、日常生活の中で普通に行うことが困難になる場合もあります。
このような症状が出たら、まずは無理をせずに肘を休めることが大事です。
痛む部分に氷を当てたり、腕を高く保つことで痛みを和らげることができます。
もし症状が改善しない場合は、専門の医師に相談することが重要です。
医師は適切な診断を行い、必要に応じて治療を行うためのアドバイスを提供します。
テニス肘は適切な予防と対策により管理することができます。
日常生活での負担を減らすこと、正しい体の使い方を心がけることが大切です。
テニス肘の自分でできる管理方法
テニス肘は、繰り返しの手の使い方が原因で肘に痛みが出ることがありますが、自宅でできる対策や予防法がいくつかあります。
これらの方法を取り入れることで、痛みの予防や早期の回復を助けることができます。
まず、肘への負担を減らすために、重いものを持つときは両手を使うようにしましょう。
また、手の使い方に注意して、力を入れすぎないように心掛けることが大切です。
例えば、ペンを握るときは力を抜いて軽く持つ、重いカバンは肩がけではなくバックパックにして背負うなどの工夫をしましょう。
肘の痛みが出たときは、患部に氷を当てるアイシングも効果的です。氷のパックや冷たいタオルを10~15分程度肘に当てて、腫れや痛みを和らげます。
ただし、直接氷を肌に当てると低温やけどの原因になることがあるので、タオルで包んで使用することが大切です。
さらに、軽いストレッチやエクササイズも予防に役立ちます。
特に手首や腕の筋肉をゆっくりと伸ばすストレッチは、筋肉の緊張を和らげるのに効果的です。
例えば、腕を前に伸ばし、手のひらを下に向けて手首をゆっくり下げるストレッチなどがおすすめです。
日常生活での小さな注意と適切な対策を心掛けることで、テニス肘の予防や改善につながります。
肘の痛みを感じたら無理をせず、早めに対処をすることが大切です。
これにより、肘の健康を守りながら快適な日々を送ることができます。
テニス肘治療
テニス肘が長く続いてしまうと、普通の治療だけではなく、もっと専門的な治療が必要になることがあります。
これには、いくつかの特別な治療方法があります。
まずよくあるのが抗炎症薬というお薬を飲んでもらうことと、湿布を貼るという方法になります。
これは対症療法と言われ、根本治療をしているとは言えません。
一時的に痛みをとるという意味では非常に大事な治療とは言えますが、延々とこれを続けていくのはあまりよくないと考えています。
次に、「物理療法」という治療もあります。
物理療法では、特別な運動やマッサージ、時には暖かいパックや冷たいパックを使って、肘の動きを良くし、痛みを減らすことを目指します。
最近ではだいぶ下火となってきていると考えています。
当院ではつい最近終了となりました。
もし、これらの治療で痛みが良くならない場合には、「ステロイド注射」をすることもあります。
ステロイドは強力な薬で、直接痛い部分に注射することで、痛みや腫れを速く減らすことができます。
しかし、最近ではこの注射にも注意喚起がなされていまして、このステロイド注射はどんどん効果が薄れていくことが言われています。
これが続いていくとどんどん注射をする間隔が狭くなっていき、最初は半年に1回だった注射が3ヶ月に1回、2ヶ月に1回、1ヶ月に1回と減少していき最後には毎週注射しているという状態になることが指摘されています。
これが繰り返されると筋肉はボロボロになってしまい痛みも慢性的に継続してしまうことになります。
そのため注射に関してはステロイドをあまり使わないでおこうという考えが徐々に広まってきています。
じゃあどうればいいんだというとここから代替療法となっている最新の治療を紹介していきましょう
①プロロセラピー(高張ブドウ糖液注射)
プロロセラピー(Prolotherapy)は、筋肉などの組織に対して刺激となる高張ブドウ糖液注射を注入する治療法です。
ブドウ糖液(舐めると甘いんですけどね。)を注射することで狙って炎症を起こし、その後に起こる組織の修復を促す効果があるといわれており、組織の再生を促す治療です。
腱の炎症により生じる痛みに対して有効と考えられています。
1~2週に1回の頻度を3~5回注射することで、治療効果を高めて症状の改善と損傷組織の修復の促進を期待していきます。
注射後はしばらくは痛みがありますが、その痛みが改善したときにもともとあった痛みも少しずつ和らいでいきます。
主にアメリカなどの海外では積極的に行われている治療法で、日本でも徐々に広まってきている治療法です。
な、なんと妊婦さん、授乳中の方、引いては子供でも安全に治療を受けていただけます。
他にも膝蓋腱炎、肩腱板炎、アキレス腱炎、足底腱膜炎でも有効性が報告されています。
実はこの後紹介する治療もこれらの疾患への効果が報告されているんですよね。
②体外衝撃波(自費診療)
当院ではお馴染みになってきましたが、痛いところに痛い衝撃波を与える治療となります。
衝撃波を加えることで異常に造生した血管や神経をやっつけてしまおうという治療になります。
院長自身も治療を受けたことがありますが、これがとても痛いんですが、終わったら元の痛みが楽になる効果があります。
1回の治療は20分くらいで、これを週1回3回ほど受けていただきます。
③血管内治療(動注治療)(自費診療)
最近、日本でうまれた新たな治療法として動注治療というものがあります。
腱の炎症を起こしている部分では「もやもや血管」と呼ばれる細い血管が増えていることが報告されています。
その血管が痛みを起こす物質を運んでくることがあるので、その異常な血管を閉じてしまおうという治療になります。
治療としては抗生物質であるチエナムという抗生物質を動脈に注射することで行います。
その抗生物質は通常の血管よりもかなり小さい粒子ですが、ちょうどそのもやもや血管と同じくらいの太さをしているので、これが都合がいいことにもやもや血管のみを詰めることができるのです。
正常な血管は残しつつ異常な血管を詰めてしまうことが可能となります。
患者様からこの治療はどこで受けられるのかという問い合わせをいただき、東京まで行こうかと検討している患者様もいらっしゃたために当院は福井県で唯一の導入クリニックとして登録させていただきました。
動注治療は、オクノクリニック(表参道・白山・横浜・六本木)の奥野先生が2014年に開発された治療で、年間4,000件の治療実績があります。
そして、本当に重い場合には、「外科的介入」つまり手術を考えることもあります。
手術は通常、他の治療が効かないときの最後の選択とされています。
手術によって、肘の傷ついた部分を修復し、痛みを取り除くことが目的です。
これらの専門的な治療を受ける前に、しっかりとした診断を受けることがとても重要です。
専門の医師が患者さんの状態を詳しく調べ、最適な治療計画を立てます。
治療は個々の状態によって異なるため、医師の指示に従って治療を進めることが大切です。
今日では色々な治療が生まれてきているので、痛みがひどいから治療が辛いからと諦めてしまうことなく、肘の痛みでお困りの場合は当院にお問い合わせください。