肩関節の構造

肩関節は大きく動くぶん、痛めやすい関節です

肩は、上腕骨の丸い頭が、肩甲骨のくぼみである「肩甲窩」にはまり込むことでできている関節です。ボールが浅い受け皿に乗っているような構造のため、腕を前後左右に動かしたり、回したりすることができます。

肩の動きには、上腕骨だけでなく、肩甲骨や鎖骨も関わっています。これらが連動することで、腕をスムーズに上げたり、回したりできます。

また、肩まわりには「腱板」と呼ばれる筋肉があり、肩を安定させながら動かす役割をしています。

肩は動く範囲が広い一方で、脱臼や腱板損傷、痛みが起こりやすい部位でもあります。日頃から姿勢を整え、肩まわりのストレッチや筋力トレーニングを行うことが、肩の痛みやけがの予防につながります。

肩の痛みの原因

腱板損傷

腱板(肩甲下筋、大円筋、棘上筋、棘下筋)は、肩関節周囲に筋肉や腱をまとめてさす言葉であり、上腕骨を固定しています。腱板の損傷は、反復運動や外傷によって引き起こされることがあり、肩の痛みや不安定性を引き起こすことがあります。

凍結肩

凍結肩とは、肩関節に痛みが出て、肩を動かせる範囲が狭くなる状態です。腕を上げる、後ろに回す、服を着替えるといった日常動作がしにくくなることがあります。医学的には「癒着性関節包炎」と呼ばれることもあります。

痛みが強い時期に無理に動かしすぎるのはよくありませんが、症状に合わせて適切な治療やリハビリを行うことが大切です。

インピンジメント症候群

インピンジメント症候群とは、腕を上げるときに、肩の中で腱板や滑液包などの組織が挟み込まれ、痛みが出る状態です。

主な症状としては、腕を上げるときの痛み、肩を動かしたときの引っかかり感力の入りにくさなどがあります。症状が続くと、腱板損傷につながることもあるため、痛みを我慢して使い続けないことが大切です。

滑液包炎

滑液包とは、関節や腱のまわりにある小さな袋状の組織です。中には少量の液体が入っており、骨や腱、筋肉がこすれすぎないようにクッションのような役割をしています。

肩の滑液包に炎症が起こると、肩の痛みや動かしにくさが出ることがあります。特に、腕を上げる動作や、肩を使う作業を繰り返すことで症状が出やすくなります。

関節炎

関節炎は、肩関節を含む関節の炎症を引き起こす状態です。これにより、肩の痛み、動きの制限が引き起こされることがあります。

腱炎

腱とは、筋肉と骨をつなぐ硬い線維状の組織です。筋肉の力を骨に伝えることで、腕や関節を動かす役割をしています。肩の腱に炎症が起こると、肩の痛みや動かしにくさが出ることがあります。

骨折

鎖骨や上腕骨の骨折は、肩の激しい痛みを起こすことがありますが、明らかな怪我があることが一般的です。

肩関節脱臼

肩関節脱臼とは、上腕骨の頭が肩甲骨のくぼみから外れてしまう状態です。事故や転倒、スポーツ中のけがなどで起こることがあります。

脱臼すると強い痛みが出て、腕を動かすことが難しくなります。外傷後に肩の強い痛みがあり、腕を動かせない場合は、脱臼や骨折の可能性があります。

また、肩の脱臼は一度起こると繰り返すことがあります。特に若い方やスポーツをされる方では反復しやすく、状態によっては手術が必要になることもあります。

肩の痛みの症状

痛み

肩の痛みは、肩関節の周囲に出ることが多く、腕を上げる、後ろに回す、物を持つといった動作で痛みを感じることがあります。

また、肩の痛みだと思っていても、首が原因で痛みが出ている場合もあります。首から肩、腕にかけて痛みが広がることもあるため、診察では肩だけでなく首や腕の状態も確認します。

動きの制限

肩を動かす際に痛みが生じたり、肩の動きが制限されたりすることがあります。肩が上がらなかったり、腕を後ろに引くことができなかったりすることがあります。髪を結ぶことが難しい、帯を結ぶような動作が難しいこともあります。

関節の硬直

肩の関節が硬くなり、動かしにくくなることがあります。肩は本来かなり自由に動く関節なのに、その関節が90度までしか上がらないといった症状が起きることがあります。

筋力の低下

肩周囲の筋肉が弱くなり、肩を動かす際の力が弱くなることがあります。動かすたびに痛みが出るので、肩を上手に動かすことができなくなることがあります。

カクカク音やポキッと音

肩を動かす際に、カクカクという音やポキッという音がすることがあります。これは、軟骨の損傷や腱板損傷が原因であることがあります。音が鳴るだけはあまり気にしなくても良いのですが、音が鳴るとともに痛みが生じる場合は、治療が必要となりますので、受診ください。

肩こり

肩周辺の筋肉が硬くなってしまうことを指しますが、よくあるのが僧帽筋と肩甲挙筋周辺に痛みを感じることがあります。これは肩甲骨の動きが重要になりますので、肩甲骨を動かす運動を行うことが重要と考えます。

少し、長くなってしまったので次のページに続きます。