巻き爪の痛みに悩むあなたへ

 巻き爪は、爪が皮膚に食い込むことで痛みを引き起こす疾患です。専門的な病名で言うと陥入爪という風に表現しますが、ここではわかりやすいように巻き爪と表現させていただきます。
巻き爪の痛みは日常生活に支障をきたすほどで、一刻も早い解放を望む人も多いでしょう。しかし、どのように治療すれば良いのか、自宅でできることはあるのか、専門的な治療を受けるべきなのか、といった疑問を抱いている人も多いはずです。
足の外科学会認定医の私がお伝えさせていただきます。

巻き爪が食い込むと・・・・

 巻き爪が食い込んでしまい、皮膚を傷つけるとひょう疽と呼ばれるバイキンによる感染症を起こし、爪の周囲は赤く腫れ、痛みを起こします。
ひどい症例では膿が溜まってしまい、膿を出す必要があります。感染を起こしてしまった場合は、まず膿を出す排膿を行い、その後に治療をさせていただきます。
巻き爪がひどい症例では巻き爪を直しながらではないと感染も治らないこともありますので、その場合は同時並行で治療をさせていただきます。

自宅でできる巻き爪の治療法

 巻き爪の治療法としては、自宅でできるものと専門的な治療があります。自宅でできる治療法は、爪の形状を整えるための爪切り方(スクエアカット)や、爪と皮膚の間にコットンを挟むやテーピングで当たっているところを逃すという方法があります。これらは痛みを和らげるための一時的な対策であり、根本的な解決には至りませんが、痛みの軽減や症状の進行を遅らせる効果があります。

専門的な巻き爪の治療

 一方、専門的な治療としては、皮膚科や整形外科での治療があります。これらの治療は、ワイヤーやクリップを用いた矯正法や、手術療法が一般的です。これらの治療は、巻き爪の原因となる爪の形状を根本から改善し、再発を防ぐことが可能です。当院ではワイヤーを用いた治療を行っており、ワイヤーにより極度の変形も治療が可能となります。
当院で経験した難しい症例をお示しします。体重がかけられていなかったり、歩く時間が少なかったりすると、徐々に親指の爪はこのように曲がっていってしまいます。爪自体も弱くなり、ワイヤーが安定するかも難しいのですが、硬いところを狙ってワイヤーをとりあえず入れることを目標にしたので、自然な形を取り戻すことができました。非常に満足いただけた症例でした。

再発防止のためのケア

 巻き爪の治療後も、再発防止のためのケアが必要です。正しい爪の切り方や、足元のケアを行うことで、巻き爪の再発を防ぐことができます。また、巻き爪の原因となる歩き方(親指に力が入っていない)や足の使い方を改善することも重要です。

まとめ

 巻き爪の痛みから解放されるためには、自宅でできるケアと専門的な治療の両方が重要です。自宅でのケアで痛みを和らげつつ、専門的な治療で根本的な改善を目指しましょう。そして、再発防止のためのケアを怠らないことが、巻き爪と上手に付き合うための鍵となります。

巻き爪のよくある質問

 

QandAコーナー

患者さん
巻き爪と陥入爪は同じものですか?
院長
厳密には少し違います。巻き爪は爪が丸く巻いている状態、陥入爪は爪の端が皮膚に食い込んで痛みや炎症を起こしている状態です。一般的にはまとめて「巻き爪」と呼ばれることも多いため、この記事ではわかりやすく巻き爪として説明しています。

 

患者さん
巻き爪は自宅で治せますか?
院長
軽い症状であれば、爪の切り方を見直したり、コットンやテーピングで当たっている部分を逃がしたりすることで、痛みが和らぐことがあります。ただし、これはあくまで一時的な対策です。痛みが続く場合や、赤み・腫れ・膿がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

 

患者さん
痛いところを深く切れば楽になりますか?
院長
一時的に楽になることはありますが、爪の横を深く切りすぎると、伸びてきた爪が再び皮膚に食い込みやすくなります。巻き爪では、爪の角をえぐるように切ることは避けましょう。基本は、爪の先をまっすぐ整えるスクエアカットです。

 

患者さん
赤く腫れて膿が出ている場合はどうしたらいいですか?
院長
爪が皮膚に食い込んで傷ができると、バイキンが入り、ひょう疽のような感染を起こすことがあります。膿がたまっている場合は、状態によって膿を出す処置が必要になることもあります。消毒だけで様子を見続けず、早めに受診してください。

 

患者さん
ワイヤー治療はどんな治療ですか?
院長
ワイヤー治療は、巻いている爪にワイヤーをかけて、少しずつ爪の形を整えていく治療です。爪の変形の程度や爪の硬さ、炎症の有無によって治療の進め方は変わります。爪の形を整えながら、痛みや歩きにくさの軽減を目指します。

 

患者さん
ワイヤー治療は痛いですか?
院長
感じ方には個人差があります。装着時に違和感や軽い圧迫感を感じることはありますが、食い込みが軽くなることで痛みが和らぐ方もいます。ただし、赤みや腫れ、膿がある場合は、先に感染や炎症への対応が必要になることがあります。

 

患者さん
巻き爪はなぜ再発するのですか?
院長
巻き爪は、爪の切り方だけでなく、靴の圧迫、歩き方、親指に体重がかかりにくいことなどが関係します。その原因が残っていると、治療後に再び巻いてくることがあります。再発を防ぐためには、爪だけでなく足元のケアや歩き方も見直すことが大切です。

 

患者さん
靴や歩き方も巻き爪に関係しますか?
院長
関係します。先の細い靴やサイズの合わない靴は、爪を横から圧迫する原因になります。また、親指にしっかり体重がかからない歩き方が続くと、爪が巻きやすくなることがあります。巻き爪は、爪だけでなく足の使い方も一緒に考えることが大切です。

 

患者さん
どのタイミングで受診すればいいですか?
院長
靴を履くと痛い、爪が皮膚に当たって気になる、歩く時に足の指をかばってしまう、爪が切りにくいと感じた段階で相談していただいて大丈夫です。赤み・腫れ・膿・強い痛みがある場合は、早めの受診をおすすめします。

 

巻き爪は、早めに対応することで痛みや炎症を抑えやすくなります。
「これくらいで受診していいのかな?」と迷う段階でも、お気軽にご相談ください。

巻き爪の治療に関するYouTube動画

監修者について

宇賀治修平 院長

MEDICAL SUPERVISION
宇賀治 修平

さくら通り整形外科クリニック 院長

2023年5月、福井市日之出に開院。整形外科・リハビリテーション科。
日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
患者さん一人ひとりの痛みや生活背景に目を向け、原因から考える治療を大切にしています。


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