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肩の痛み(五十肩)1

  1. 肩の構造
    • 肩関節とその構成要素の概要
    • 肩運動に関わる骨、筋肉、靱帯の説明
  2. 肩の痛みの一般的な原因
    • 五十肩
    • 滑液包炎
    • 凍結肩
    • 関節炎
    • 肩関節の不安定性
    • 骨折
  3. 肩の痛みの症状
    • 肩関節の痛み
    • 動きの制限
    • 関節の硬直
    • 筋力の低下
    • カクカク音やポキッと音

1.肩関節の構造

肩は、上腕骨の球状のボールのような頭部が肩甲骨の窪み(肩甲窩)に収まることでかなりの広範囲で動く球関節でできています。さらに、肩甲骨と鎖骨という2つの骨を加えて3つの骨で肩関節を作っています。上腕骨の運動に関与するさまざまな筋肉とともに肩甲帯を形成しています。

肩甲帯には、上腕骨を肩甲骨の窪みに収めておくための肩甲上腕筋、上腕骨を前方に動かすための大胸筋、上腕骨を外側に動かすための小胸筋、上腕骨を内側に動かすための肩甲下筋、上腕骨を外に開くような運動をするための棘上筋などの筋肉が含まれています。

肩関節は、人体で最も動く関節の1つであり、多くの方向に動くことができます。しかし、その動きが大きいがゆえに、肩は怪我や外傷で脱臼しやすかったり、損傷しやすかったりする部位でもあります。正しい姿勢や肩のストレッチ、適切な筋力トレーニングを行うことで、肩の痛みを発生しにくくすることができます。

2.肩の痛みの原因

少し多いですが、8つほど原因が挙げられます。

2-1.腱板損傷

腱板(肩甲下筋、大円筋、棘上筋、棘下筋)は、肩関節周囲に筋肉や腱をまとめてさす言葉であり、上腕骨を固定しています。腱板の損傷は、反復運動や外傷によって引き起こされることがあり、肩の痛みや不安定性を引き起こすことがあります。

2-2.凍結肩

凍結肩は肩関節の痛みや動きの制限を引き起こし、腕を動かすのが困難になる状態で、癒着性関節炎とも呼ばれます。正確な原因は不明ですが、外傷や手術が原因で引き起こされることもあります。または痛みのために長期間安静にしすぎることで肩の動きも悪くなってしまうとも言われています。

2-3.インピンジメント症候群

腱板が肩甲骨と上腕骨の間で圧迫されると、肩の痛みや弱さを引き起こすことがあります。これは、過剰使用や反復運動が原因で引き起こされることがあります。

2-4.滑液包炎

滑液包は、体内の関節をクッションする小さな液体の袋です。肩の滑液包が炎症を起こすと、関節の痛みや動きに制限を起こすことがあります。滑液包炎は、過剰使用や繰り返しの運動が原因で引き起こされることがあります。

2-5.関節炎

関節炎は、肩関節を含む関節の炎症を引き起こす状態です。これにより、肩の痛み、動きの制限が引き起こされることがあります。

2-6.腱炎

腱は、筋肉と骨をつなぐ堅い繊維組織です。手背に見られる筋がこれにあたります。肩の腱が炎症を起こすと、関節の痛みを引き起こすことがあります。腱炎も、過剰使用や反復運動が原因で引き起こされることがあります。

2-7.骨折

鎖骨や上腕骨の骨折は、肩の激しい痛みを起こすことがありますが、明らかな怪我があることが一般的です。

2-8.肩関節脱臼

肩関節が外れることを肩関節脱臼と呼びます。これは、事故やスポーツ中の外傷によって引き起こされることがあり、一度脱臼すると痛すぎて全く動けなくなるので、外傷で動けない痛みが起きている場合は、肩の脱臼か骨折が疑われます。脱臼は反復することがあり、繰り返してしまう症例では手術が必要となることがあります。当院では脱臼の整復の際に、神経ブロックを行うことで、痛みを緩和しながら脱臼を戻すことができます。

読んで頂いた通り、原因のほとんどは、過剰な使用や反復運動が原因で引き起こされます。また、外傷や事故、遺伝的な要因、生活習慣なども影響を与えることがあります。肩の痛みを引き起こす原因は多岐にわたるため、痛みや不快感がある場合は、当院で相談いただければと思います。

3:肩の痛みの症状

3-1.痛み

上腕骨と肩甲骨の間の関節部分で痛みを感じることがあります。肩の痛みにも首からきていることもあり、注意が必要です。また上腕全体に痛みが起きているように感じることもあるために、肩の診察はそういった点に注意する必要があります。痛みの時間帯としては夜に起きることも特徴的です。夜寝ている時に痛くなることや、寝返りで痛くて、目が覚めてしまうということが起きます。

動きの制限

肩を動かす際に痛みが生じたり、肩の動きが制限されたりすることがあります。肩が上がらなかったり、腕を後ろに引くことができなかったりすることがあります。髪を結ぶことが難しい、帯を結ぶような動作が難しいこともあります。

関節の硬直

肩の関節が硬くなり、動かしにくくなることがあります。肩は本来かなり自由に動く関節なのに、その関節が90度までしか上がらないといった症状が起きることがあります。

筋力の低下

肩周囲の筋肉が弱くなり、肩を動かす際の力が弱くなることがあります。動かすたびに痛みが出るので、肩を上手に動かすことがあります。

カクカク音やポキッと音

肩を動かす際に、カクカクという音やポキッという音がすることがあります。これは、軟骨の損傷や腱板損傷が原因であることがあります。

少し、長くなってしまったので次のページに続きます。

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