【放置すると治らなくなる?】テニス肘の原因・治療・ストレッチ・サポーターの活用法

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テニス肘とは?

テニス肘(正式名称:外側上顆炎)は、肘の外側に痛みを感じる症状で、手首や腕を頻繁に使うことで発生します。スポーツ選手に多いと思われがちですが、料理やパソコン作業など日常生活の中で繰り返し手首を使う動作が原因で発症することもあります。

この症状は悪化すると慢性化し、回復が長引くことがあるため、早期に適切な治療を行うことが重要です。

テニス肘の主な原因

繰り返しの動作

テニスのバックハンド、ゴルフスイング、料理での包丁の使用、長時間のキーボード作業など、手首や肘を酷使する動作。

筋肉や腱の過負荷

前腕の筋肉(伸筋群)が過剰に使われることで、腱が骨に付着する部分に炎症が発生。

加齢による腱の変性

年齢とともに腱が弱くなり、小さな負荷でも炎症を起こしやすくなる。

不適切なフォームや道具

スポーツ時の誤ったフォームや、手首に負担のかかるツールの使用が影響。

テニス肘の主な症状

肘の外側が痛む(特に物を持ち上げる、ドアノブを回す、ペンを持つ動作)
握力が低下する
手首を動かすと痛みが走る
安静時でも違和感がある

痛みが慢性化すると日常生活に支障をきたす

放置するとどうなる?

テニス肘を放置すると、症状が慢性化し、
炎症が進行して腱が損傷する
肘の可動域が制限される
慢性的な痛みが続く
生活や仕事のパフォーマンスが低下する

そのため、症状が出たら早めの対策が必要です。

自分でできるテニス肘の治療・ケア方法

1. 肘を休める

痛みを感じたら無理に動かさず、安静を保つことが大切。

2. 冷却(アイシング)

痛みが強いときは氷をタオルに包み、10~15分間冷やす。

3. ストレッチとエクササイズ

手首伸ばしストレッチ
片手を前に伸ばし、もう一方の手で手首をゆっくり下げる。

前腕筋強化エクササイズ
軽いダンベルやゴムバンドを使い、筋肉を鍛えることで肘への負担を軽減。

4. サポーターの活用

サポーターを装着することで、肘への負担を軽減し、痛みを和らげる。

上腕骨に近い位置に巻くことで、腱の負担を減らす。

5. 正しいフォームと生活習慣の見直し

スポーツ時のフォームを改善する。

長時間のパソコン作業時には休憩を挟み、ストレッチを行う。

医療機関での治療法

抗炎症薬(NSAIDs):痛みを抑えるための内服薬や湿布。

ステロイド注射:一時的な炎症抑制に有効だが、繰り返し使用すると組織の劣化を招く。

1. 薬物療法

物理療法(超音波、電気刺激など)

ストレッチや筋力トレーニングの指導

2. リハビリテーション(理学療法)

体外衝撃波療法

衝撃波を痛みのある部位に当て、血流を促進し回復を促す。

3. 最新治療

体外衝撃波療法
衝撃波を痛みのある部位に当て、血流を促進し回復を促す。

PRP療法(多血小板血漿療法)
患者自身の血液を利用し、成長因子を患部に注入する再生医療。

動脈塞栓術(動注治療)
痛みの原因となる異常血管を閉じる新しい治療法。

4. 外科手術(重症例)

保存療法が効果を示さない場合、腱を修復する手術が行われることもある。

これらの話をまとめたのがコチラ

まとめ

テニス肘は、適切な治療と予防策を取ることで改善が期待できる症状です。早期対応が重要であり、

肘への負担を減らすこと

ストレッチやサポーターの活用

専門医の診断を受ける

といった対策を積極的に行いましょう。

痛みを放置せず、適切な治療とケアを実践することで、日常生活の快適さを取り戻しましょう。

この記事を執筆した人
宇賀治 修平
  • 医学博士
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本足の外科学会認定医
  • 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本整形外科学会認定リハビリテーション医