手の痛み「私はここが痛い!!」指先編 ~整形外科医が徹底解説~
こんにちは!
さくら通り整形外科クリニックの院長、宇賀治修平です。
今回は、手や指の関節のトラブルについてお話しします。
「最近、指の関節が痛い」「なんとなく動かしにくい」「関節が腫れている気がする」
こんな症状を感じたことはありませんか?
指先の痛みや変形を引き起こす疾患には、以下のようなものがあります。
✔ へバーデン結節(指の第一関節が変形)
✔ マレット変形(指が木槌のように曲がる)
✔ ブシャール結節(指の第二関節が変形)
✔ 関節リウマチ(関節に炎症が起こる)
これらの疾患を放っておくと、指が動かしにくくなり、日常生活にも影響が出ることがあります。
「そのうち治るかな?」と放置せず、症状や原因を知って早めに対策を取りましょう!
指の第一関節に多い病気
へバーデン結節 – 指先の関節が腫れる、変形する
へバーデン結節とは、指の第一関節(DIP関節)が変形する病気です。
🔹 こんな症状がある人は要注意!
- 指の第一関節が痛む、腫れる
- 進行すると、関節が固まって曲がったままになる
- 小さなこぶ(結節)ができる
🔹 どんな人がなりやすい?
- 40歳以上の女性(特に更年期)
- 手をよく使う人(家事、パソコン作業、裁縫など)
- 家族にへバーデン結節の人がいる
🔹 予防&セルフケア
✔ 指を安静にする(無理に動かさない)
✔ テーピングで関節を固定(負担を軽減)
✔ 大豆製品を摂取する(ホルモンバランスを整える)
🔹 へバーデン結節の治療法
- 保存療法(安静・テーピング)
- 薬物療法(痛み止め、ステロイド注射、漢方)
- 動脈注射療法(モヤモヤ血管を潰す治療)
この「動脈注射療法」は、奥野クリニックの奥野先生が開発した治療法で、当院でも導入しています。**「へバーデン結節の痛みが強い」「なかなか治らない」**という方には、非常におすすめの治療法です。
マレット変形 – 指が木槌のように曲がる
マレット変形とは、指の第一関節が曲がったまま伸ばせなくなる状態です。
🔹 こんな人は要注意!
- 突き指をしたことがある
- 指先にボールが当たった
- 指を伸ばそうとしても自力では伸ばせない
🔹 マレット変形の原因
① 腱性マレット指(伸筋腱が切れる)
② 骨性マレット指(第一関節の骨折が原因)
診断には レントゲン検査 が必須!
🔹 治療法
- 腱性マレット指 → 装具固定(指をまっすぐに保つ)
- 骨性マレット指 → 手術が必要なことも
「放っておけばそのうち治る」と思っている方へ!
マレット変形を放置すると 第二関節が反り返るスワンネック変形 になることも!
早期治療が大切です!
指の第二関節に多い病気
ブシャール結節 – 第二関節の痛みと変形
ブシャール結節は、指の第二関節(PIP関節)が変形する病気です。
🔹 こんな症状がある人は要注意!
- 第二関節が痛む、腫れる
- 指が曲がったまま伸びにくい
- 関節がこわばる(特に朝や長時間同じ姿勢の後)
🔹 原因
- 加齢(関節の老化)
- 遺伝的要因
- 女性ホルモンの減少
- 指の使いすぎ
関節リウマチと症状が似ているため、血液検査が重要!
🔹 治療法
- 保存療法(安静・テーピング・湿布)
- 薬物療法(痛み止め・ヒアルロン酸注射・ステロイド注射)
- 手術療法(腱の切除・関節の固定)
進行すると元に戻すのが難しくなるため、早めの対策が大切です!
関節リウマチ – 進行すると関節が破壊される
関節リウマチは、関節の炎症と破壊が進む自己免疫疾患です。
🔹 こんな症状がある人は要注意!
- 手や足の指、手首などの関節が腫れて痛む
- 朝のこわばり(朝、関節が固くなり動かしにくい)
- 関節が左右対称に腫れる
- 痛みが天気に左右される
放置すると骨や軟骨が破壊され、関節が変形してしまうことも…!
🔹 治療法
- 薬物療法(メトトレキサート・生物学的製剤・JAK阻害薬)
- 手術療法(変形が進行した場合)
- リハビリテーション(関節の動きを維持)
関節リウマチは 「治療のタイミングが命」 です!
「ちょっとおかしいな」と思ったら、すぐに検査を受けましょう!
これらの話をまとめたのがコチラ
まとめ
指の関節に痛みや違和感を感じたら、放置せずにしっかりと対策をしましょう!
第一関節に起こる疾患
- へバーデン結節(変形・痛み・腫れ)
- マレット変形(指が曲がって伸びない)
第二関節に起こる疾患
- ブシャール結節(変形・腫れ・こわばり)
- 関節リウマチ(自己免疫疾患・炎症)
「あれ?おかしいな?」 と思ったら、早めの受診が大切です!