【首の痛みとしびれの正体】頚椎症とは?原因・症状・治療法まで徹底解説

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【首の痛みとしびれの正体】頚椎症とは?原因・症状・治療法まで徹底解説

こんにちは、さくら通り整形外科クリニック 院長の宇賀治 修平です。

「最近、首や肩のこりが取れない…」「腕や手がしびれる…」「スマホやパソコンを使う時間が増えてから、なんだか症状が悪化してきた…」

そのようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

もしかしたら、それは頚椎症(けいついしょう)かもしれません。

この記事では、頚椎症とは何か?なぜ起きるのか?どんな症状が出るのか?どう対処すればよいのか?について、わかりやすく解説し、最後には当院で行っている「神経根ブロック注射」という治療法についても紹介します。

頚椎症とは?

頚椎症とは、首の骨(頚椎)の加齢変化や負担によって、周囲の神経や脊髄が圧迫される病気です。

正式には「頚椎症性神経根症」や「頚椎症性脊髄症」と分類されることもあります。40代以降の方に多く見られますが、近年は若年層でも増えています。その背景には、スマートフォンの長時間使用、デスクワークの増加など、首に負担をかけるライフスタイルが影響しています。

頚椎症の主な原因

  • 加齢による骨の変性(椎間板の変性、骨棘形成)
  • 姿勢の悪化(猫背、ストレートネック)
  • 首への過度な負担(スマホ首、長時間のPC作業)
  • 過去の外傷やむち打ちの後遺症

特に「ストレートネック」は現代人に急増しており、首の自然なカーブが失われることで頚椎に負担が集中し、頚椎症の発症リスクが高まります。

どんな症状が出るの?

初期症状

  • 首や肩のこり、重だるさ
  • 可動域の制限(首が回らない・後ろを振り返りにくい)

進行すると

  • 腕や手のしびれ・痛み
  • 指先の感覚が鈍い、細かい作業がしづらい
  • 握力低下、物が落としやすい
  • 腕のだるさ、重たさ

さらに進むと

  • 歩行障害(足がもつれる)
  • 排尿障害(トイレが近い・出にくい)

※この段階では「頚椎症性脊髄症」と診断され、早期の手術介入が必要になることもあります。

診断方法

  • 問診・触診
  • 神経学的検査(筋力・感覚・反射の評価)
  • X線検査(骨の変形)
  • MRI検査(神経の圧迫状態を確認)

MRIで神経根が椎間板や骨棘で圧迫されている様子が見られれば、頚椎症性神経根症と診断されます。MRI検査は必ず行いたい検査の一つであります。当院ではMRIによる診断も可能です。当日検査も可能なこともあるため、ぜひお問い合わせください。

MRIとCTの違いについての話はこちらをご参照ください。
MRI と CT って 何が違うの? 整形外科医がレントゲンとの違いもズバリ解説!

頚椎症の治療法

① 保存療法(初期段階)

  • 安静・姿勢の改善
  • リハビリ(ストレッチ、運動療法)
  • 薬物療法(消炎鎮痛薬、筋弛緩薬、疼痛治療薬)
  • 温熱療法や電気治療

✔️ これらで症状が改善すれば、手術の必要はありません。

② 注射療法(中等度の神経圧迫)

保存療法で改善がみられない場合、「神経根ブロック注射」が有効です。これが非常に画期的な治療ですので、後述します。

③ 手術療法(高度の神経圧迫)

頚椎症性脊髄症とよばれるふらつきや排尿障害などが出現した場合は、手術が必要になります。しかもなるべく早く受けてもらったほうがいいです。手術は神経が圧迫された部位を解除する必要があります。首の手術と聞くと非常に不安はありますが、専門的な治療が必要となりますので、大きい病院への受診をおすすめします。

神経根ブロック注射とは?

首の神経が圧迫されている「根元(神経根)」に直接、局所麻酔薬とステロイド薬を注入する治療です。

特徴:

  • 痛みやしびれの原因そのものにアプローチ
  • 1回で劇的に改善する方も
  • 手術を回避できる可能性
  • 外来で数分の処置、すぐ帰宅可能

対象となる人:

  • 手術は避けたいが痛みが強い
  • リハビリや内服で改善しない
  • 日常生活に支障が出ている

従来であれば、透視検査というX線を使った注射を行い、造影剤を使用して神経に当ててしびれを起こしてから、おくすりをいれるという検査でした。造影剤はアレルギーのリスクが有り、注意が必要です。また神経に当てた際は非常に痛みやしびれが走るなかなかに辛い検査でした。

しかし超音波が普及した昨今ではもっと、簡単に神経根ブロックが可能となりました。当院では、超音波ガイド下で安全・確実に神経根ブロックを実施しています。これにより造影剤も不要となり、放散痛をおこす必要もなくなりました。特に、整形外科専門医・超音波診療に精通した医師が行うため、リスクは最小限に抑えられます。

よくある質問(Q&A)

注射は痛いですか?

A:多少のチクッとした痛みはありますが、局所麻酔を用いるため我慢できないほどの痛みではありません。処置時間も5〜10分程度です。

何回受ければいいですか?

A:1〜3回で効果が出る方が多いです。

Q:効果はどれくらい続きますか?

A:個人差はありますが、数週間〜数か月持続することも。

Q:副作用はありますか?

A:ごくまれに一時的な神経のしびれ感や血圧低下がありますが、重大な合併症は極めて稀です。当院では事前に十分な説明を行い、慎重に対応しています。

Q:注射だけで本当に良くなるんですか?

A:確かに、神経根ブロックは“根本治療”ではなく、症状の緩和と炎症の鎮静を目的とした治療です。しかし、ブロック注射によって痛みが軽減することで、患者さんはリハビリや日常生活動作を再開できる状態になります。

これは、身体機能の回復と慢性化予防にとって非常に重要です。
また、一定期間痛みを抑えることで、自然治癒の時間を稼ぐ効果もあります。複数の研究で、神経根ブロックは保存療法と併用することで高い効果が得られるとされています。

まとめ:早めの対処がカギ!悪化する前に相談を

頚椎症は、放置すると神経の損傷が進み、手術が必要になるリスクがあります。しかし、早期に対処すれば、注射やリハビリだけで改善できる可能性が高い疾患です。

首や腕のしびれ・痛みでお悩みの方は、我慢せず一度ご相談ください。

さくら通り整形外科クリニックでは、神経根ブロック注射を含む専門的な治療を行っております。お気軽にお問い合わせください。

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