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さくら通り整形外科クリニックのスポーツ整形

スポーツ整形外科にも力を入れて参ります。

スポーツ整形外科の難しい点としては、治療を優先するべきか、スポーツを優先するべきかを考える必要があります。

スポーツ推薦などでスポーツで結果を出すことを求められている立場の選手もいます。

通常の医療でしたら、治療を優先すべきでしょうが、疾患や状態によってはスポーツをしながらでも、治療を目指すこともできます。

何を優先すべきかは、それぞれの選手の状況によっても異な里ますので、それぞれの状況に向き合いながら、それぞれのゴールを一緒に目指せていければと思います。

その中でも治癒を早めるために、体外衝撃波治療器であるデュオリスとPFC~FDという自由診療治療にも挑戦しております。オスグッド・シュラッダー病やシーバー病、上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎、アキレス腱炎、肩関節周囲炎、疲労骨折などにも効果が期待できます。

論文紹介

ACL損傷、半月板損傷に有用であったという論文を紹介します。

2022 Mar Exp Ther Med
Efficiency of platelet-rich plasma therapy for healing sports injuries in young athletes

半月板損傷と診断された72人の若いアスリートに対して、安静のための固定後に一次治療の強化としてPRP療法を施行した。PRP療法後に痛みが改善し、評価スコアが改善したことを明らかにした。同時に、患者の83.3%がスポーツや毎日の身体活動に戻ることができた。PRP療法は、安全で管理が簡単で、痛みの軽減に効率的で、部分的な半月板またはACLの涙を持続した若いレクリエーションアスリートのためのスポーツ活動の再開であると結論付けることができ、痛みの軽減の面では、PRP療法はACL損傷を持つ若い患者にとってより効率的であるようです。

スポーツをしていると、思わぬケガに悩まされることがあります。
「ねんざ」「疲労骨折」「肉離れ」「肩や膝の痛み」などは、学生から大人まで多くの人が経験するものです。

こうしたケガの治療を専門に行い、再発を防ぎ、より高いパフォーマンスへ導く医療が “スポーツ整形(スポーツ整形外科)” です。


■スポーツ整形とは?

スポーツ整形は、スポーツで起きるケガの治療はもちろん、体の使い方のクセや筋力のバランスを評価し、
「ケガをしにくい体づくり」
「競技力の向上」
までサポートする分野です。

●スポーツ整形が扱う主なケガ

  • 足首のねんざ

  • 肉離れ(太もも・ふくらはぎ)

  • 膝の痛み(オスグッド・半月板・靭帯損傷)

  • 肩の痛み(野球肩・水泳肩)

  • 肘の痛み(テニス肘・野球肘)

  • 疲労骨折

  • アキレス腱炎

  • 腰痛・分離症

「治す」だけでなく、なぜケガをしたのか、どんな動きに問題があるのかを細かく分析します。


■スポーツ整形で大切にしている3つのポイント

① 原因を探す

ケガには必ず理由があります。
例えば足首のねんざは「足の筋力不足」「扁平足」「靴の問題」、
膝の痛みは「太ももの筋力差」「ジャンプのクセ」など、隠れた原因がたくさんあります。

スポーツ整形では、
●姿勢
●筋力バランス
●柔軟性
●フォーム
●生活習慣
●練習量
など細かくチェックして「根本原因」を見つけます。


② 早く、正しく治す

ケガをすると「早く治したい!」と思うものですが、
急いで復帰しすぎると 再発リスク が上がります。

スポーツ整形では、

  • 安静が必要な時期

  • 動かしていい時期

  • トレーニング再開のタイミング

  • 完全復帰の目安
    などを科学的根拠に基づいて判断します。


③ 再発しない体づくり(リハビリ)

特に重要なのは、ケガが治ってからの リハビリと再発予防 です。

スポーツ整形のリハビリでは、

  • 体幹トレーニング

  • 柔軟性アップ

  • 競技特有の動きの練習

  • 正しいフォームの指導

  • 筋力バランスの調整
    などを行い、ケガ前より強い体を目指します。


■代表的なケガをわかりやすく解説

●足首のねんざ

もっとも多いスポーツ外傷。
放置すると「クセになる」ため、初期の処置が重要です。

治療のポイント

  • 早期のアイシング

  • 足首周りの筋トレ

  • バランストレーニング

  • 靴・インソールの見直し


●オスグッド病(成長期の膝の痛み)

中学生〜高校生に多く、膝のお皿の下が痛くなる病気。
原因は「急激な成長+太ももの筋肉の硬さ」です。

治療のポイント

  • 大腿四頭筋(太ももの前)のストレッチ

  • 練習量の調整

  • アイシング

  • ジャンプ動作の改善


●野球肩・野球肘

投球動作をくり返すことで関節に負担がかかり起こります。

治療のポイント

  • 投球フォームの修正

  • 肩甲骨や股関節の柔軟性アップ

  • 筋力トレーニング

  • 投球数の管理


●疲労骨折

繰り返しの負荷で骨にヒビが入るケガ。
特に 足の甲・すね(脛骨)・股関節 に多いです。

治療のポイント

  • 一時的な運動制限

  • 栄養チェック(カルシウム・ビタミンD)

  • フォーム改善

  • 着地のクセを分析


■スポーツ整形で行う検査

中学生にもイメージしやすいようにまとめると…

  • レントゲン:骨の状態を確認

  • 超音波(エコー):筋肉や靱帯のケガをその場で確認

  • MRI:より詳しく内部をチェック

  • 動作分析(フォームチェック):動画で動きを確認

  • 筋力測定:左右差などを数値化

「痛みの原因がどこにあるか」を正確に突き止めるのが目的です。


■スポーツ整形が役立つ人

  • 部活を頑張っている学生

  • 大会を控えている選手

  • 運動を始めた社会人

  • 趣味のランニングを続けたい人

  • ケガを繰り返して悩んでいる人

身体を使う全ての人にメリットがあります。


■予防のために今日からできること

●① ストレッチ(特に太もも・ふくらはぎ)

ケガの多くは「硬さ」が原因。

●② 体幹トレーニング

姿勢が安定してフォームがよくなります。

●③ 練習量を急に増やさない

成長期は特に注意。

●④ 正しいフォームを覚える

ムリな動きはケガにつながります。

●⑤ 睡眠と食事

骨や筋肉の回復には必須。


■まとめ

スポーツ整形は、
「ケガを治す」→「原因を探す」→「再発を防ぐ」→「もっと動ける体へ」
までサポートする専門の医療です。

中学生でも大人でも、スポーツを楽しむすべての人に役立ちます。


■Q&Aコーナー

●Q1:部活で足首をよくねんざします。クセになりますか?

A:はい、放置するとクセになります。早期のリハビリとバランストレーニングで防げます。


●Q2:成長期に激しい運動をしても大丈夫?

A:基本は大丈夫ですが、膝やかかとなど“成長期特有の痛み”が出ることがあります。痛みが続くときは医師に相談しましょう。


●Q3:疲労骨折はレントゲンでわかりますか?

A:初期は写らないことがあります。必要に応じてMRIを撮ります。


●Q4:ケガをしても練習したいです。動いていいですか?

A:ケガの種類によります。無理に動くと回復が遅れたり悪化することがあるので、専門医に判断してもらいましょう。


●Q5:スポーツをしてなくても受診できますか?

A:もちろんOK。運動不足による痛みや姿勢改善などもスポーツ整形の守備範囲です

あなた:

●Q6:ねんざは冷やしたほうがいいですか?

A:はい、最初の48〜72時間は冷やすのが効果的です。
その後は温めると治りが早くなります。


●Q7:ケガをすると筋肉が落ちると聞きました。本当ですか?

A:本当です。
特に足のケガでは筋力がすぐに落ちるため、
早めのリハビリで筋力低下を防ぎます。


●Q8:成長痛は運動しても大丈夫ですか?

A:痛みが軽い時は軽めの練習ならOK。
強い痛みのときは無理せず運動量を減らしましょう。


●Q9:運動を休むとパフォーマンスが落ちませんか?

A:短期間の休養はむしろ効果的です。
痛みがあるまま続けるほうがパフォーマンスは下がります。


●Q10:スポーツ整形は大人も受けてもいいですか?

A:もちろんです。
ランナー、趣味のテニス、ゴルフ愛好家など多くの大人が通っています。


■スポーツ整形は「パフォーマンス向上」の医学でもある

スポーツ整形は“ケガを治す医療”というイメージが強いですが、実はもうひとつ、とても重要な役割があります。

それが
「パフォーマンス(競技力)を上げること」
です。

選手の中には、

  • いつも同じところが痛くなる

  • 練習はしているのに記録が伸びない

  • 最後まで走り切れない

  • 片足だけ踏ん張りが弱い
    といった悩みを持つ人がいます。

これらはただの「努力不足」ではなく、
筋力の左右差、姿勢、フォーム、柔軟性などの 身体の問題 が原因で起きています。

スポーツ整形では、医学的に体を分析し、
「どこを鍛えたら速くなるか」
「どう動けば痛みが出ないか」
を一人ひとりに合わせてアドバイスします。


■スポーツ整形で行う“動作分析”とは?

中学生にもわかりやすく言うと、
「あなたの体の使い方をスロー動画で見て、クセを見つけること」
です。

実際に行う内容は…


●① ジャンプ動作のチェック

着地のとき膝が内側に入る人(ニーイン)は、

  • 膝の痛み

  • 捻挫

  • 前十字靭帯(ACL)損傷
    などのリスクが高まります。


●② 走り方のチェック

足が流れていたり、上半身のブレが大きい人は、

  • シンスプリント

  • 疲労骨折

  • 腰痛
    などにつながります。


●③ 体幹の安定性

体の軸(コア)が弱いと、
どんなスポーツでもパフォーマンスが落ちます。

スポーツ整形では、
医学的な視点から「身体の使い方のクセ」を細かく読み取り、
改善ポイントを示します。


■種目ごとの“よくあるケガ”と対処法


★1:サッカー

  • ねんざ

  • 肉離れ

  • 膝の靭帯損傷

  • オスグッド病

予防ポイント

  • もも裏(ハムストリングス)のストレッチ

  • 着地動作の見直し

  • 股関節・体幹のトレーニング


★2:野球

  • 野球肩

  • 野球肘

  • 腰痛(投球フォーム由来)

予防ポイント

  • 肩甲骨の柔軟性

  • 股関節の可動域

  • 投球フォームの改善

  • 投球制限(投げすぎを防ぐ)


★3:バスケットボール

  • 足首のねんざ

  • 膝のケガ(ジャンパー膝)

  • 疲労骨折

予防ポイント

  • バランストレーニング

  • ふくらはぎ・太ももの柔軟性

  • 正しい着地(減速動作)


★4:陸上(長距離)

  • シンスプリント

  • アキレス腱炎

  • 足の甲の疲労骨折

予防ポイント

  • 足底のアーチを整える

  • 靴の見直し

  • 走り方のクセ(オーバーストライドなど)


■スポーツ整形の治療法 ― わかりやすく紹介


●1:物理療法

痛みを軽くするための治療で、以下のようなものがあります。

  • 超音波治療

  • 電気治療

  • 温熱療法

  • ハイボルテージ
    (痛みを軽くする電気の治療)


●2:注射

炎症が強い時や早期改善が必要な場合に行います。

  • 関節に炎症を抑える注射

  • PRPなどの再生医療(クリニックによっては実施)


●3:リハビリ(最重要)

スポーツ整形の中心は リハビリ です。
治療+再発予防+パフォーマンス向上をすべて含みます。


●4:フォーム指導

理学療法士と一緒に動きを細かく確認し、
ケガをしにくいフォーム、競技力が上がるフォームを身につけます。


■スポーツ整形を受診するタイミング

以下のチェックに1つでも当てはまれば相談をおすすめします。

  • 同じケガを何度もする

  • 痛みが1週間以上続く

  • 走る・跳ぶと痛い

  • 練習を休んでも改善しない

  • 試合が近くて不安

  • 体の左右差が強い

  • パフォーマンスが伸びにくい

ケガが軽いうちに相談するほうが治り方が速く、再発しにくくなります。


■さいごに

スポーツ整形は、ケガを治すだけでなく、
「痛みなく動ける体」
「競技力の向上」
をめざす、スポーツをする人にとって大切な医療です。

中学生でもできる予防法や、正しい知識を身につけることで、
ケガに強い体をつくることができます。