ぎっくり首ってどんな症状?
朝起きたときや、振り向こうとした瞬間に首が「ピキッ!」と痛くなり、まったく動かせなくなることがあります。これが一般に言われる 「ぎっくり首」 です。
正式には 急性頸部痛(きゅうせいけいぶつう) と呼び、首の筋肉・関節・靱帯(じんたい)などに急に炎症が起こることで発生します。ぎっくり腰の「首バージョン」と考えるとイメージしやすいでしょう。
ぎっくり首は年齢や性別に関係なく起こり、学生、会社員、主婦、スポーツをしている人など幅広い方が発症します。特に最近はスマホの使い過ぎや同じ姿勢が続く生活が増えたため、10代〜20代の若い世代にも多くみられます。

どうしてぎっくり首になるの?
ぎっくり首は、ある日突然起こります。でも、その前には必ず“原因のタネ”があります。
① 同じ姿勢が続いたとき
スマホを見るときに、頭が前へ出た状態になりがちです。実は、頭はボーリング玉ほどの重さがあります。この重さを首の筋肉が支えているため、うつむくほど負担が急増します。長時間続くと筋肉が過度に疲れ、ちょっとした動きで痛みにつながります。
→ 特に スマホのうつむき姿勢(いわゆるスマホ首) は大きな原因です。
■ スマホ首(ストレートネック)
ぎっくり首はスマホ姿勢とも関連があります。
詳しくは 「スマホ首(ストレートネック)の解説ページ」 をご確認ください。
② 寝ている間の姿勢
枕が高すぎる、低すぎる、合っていない――これらは寝ている間に首へ大きな負担がかかります。朝起きた瞬間にピキッと痛くなるのは、このためです。
③ 冷えて筋肉が固くなる
冬場やクーラーの風が首に当たる環境では、筋肉が急に硬くなります。筋肉が冷えた状態で動くと、炎症が起きやすく、ぎっくり首の原因になります。
④ 運動不足
首や肩まわりが硬い人ほど、ちょっとした動きで痛めやすくなります。

ぎっくり首の主な症状
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首を動かすと鋭い痛み
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振り向けない、上を向けない
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肩や背中まで痛みが広がる
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筋肉がガチガチに固まっている
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痛くて寝返りができない
また、手のしびれが出る場合は、首の神経が影響を受けている可能性があります。ぎっくり首と似ていても、首のヘルニアや神経のトラブルのことがあるため注意が必要です。
首の神経のトラブルについての記事はこちら
■ 交通事故ページ
交通事故後の首の痛みは、ぎっくり首とは対応が異なります。
事故後の首の痛みがある方は 「交通事故専門治療ページ」 をご覧ください。
どうやって治すの?
ぎっくり首は、多くの場合 数日〜1週間 でよくなります。
ただし、適切なケアをすることで治りが早くなります。注射も効果があり、ブロック注射は特に効果があり、劇的に改善することもありますので、おすすめしています。
① 発症したばかり(1〜2日目)は「冷やす」
痛みが強いときは、氷のうや保冷剤をタオルでくるみ、15〜20分冷やします。
炎症がおさまると、痛みが軽くなります。
② 2日目以降は「温める」
炎症が落ち着いてきたら、今度は温めます。
お風呂につかる・蒸しタオルを当てるなど、血流を良くすると回復が早まります。

■ 肩こり
首の痛みと肩こりは深い関係があります。
肩こりでお悩みの方は 「肩こり治療ページ」 をご覧ください。
③ 痛み止め(必要な場合)
痛みが強いときは、無理をせず市販の鎮痛薬を使うこともできます。
ただし、胃が弱い人や持病がある人は注意が必要です。
④ 強いマッサージはNG
急性期の強いもみほぐしは、かえって悪化することがあります。
触るとしても ごく軽く・短時間 にしましょう。
⑤ 少し良くなったら軽いストレッチ
痛みが和らいできたら、無理のない範囲で首や肩をゆっくり動かします。
肩甲骨を動かす体操もとても大切です。
整形外科での治療
ぎっくり首は自己判断も可能ですが、痛みが強い場合やしびれがある場合は整形外科での診察が安心です。
当院では以下の治療を行います。
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医師の診察による痛みの原因特定
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レントゲン・エコーによる安全な診断
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鎮痛薬・湿布の処方
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ハイボルテージ・超音波などの物理療法
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正しい姿勢や枕の使い方の指導
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理学療法士によるリハビリ
これらを組み合わせることで、回復を早め、再発を防ぎます。

どんなときに病院へ行くべき?
以下に当てはまる場合は、必ず整形外科を受診してください。
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手のしびれ・腕の力が入りにくい
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痛みが2週間以上続く
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交通事故のあとで痛い
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熱がある・体がだるい
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痛みがどんどん強くなる
ぎっくり首だと思っていても、
首のヘルニア・神経の圧迫・感染症 など別の病気が隠れていることがあります。

ぎっくり首を予防するには?
ぎっくり首は、生活習慣を見直すと予防できます。
① スマホを高めの位置で使う
うつむく角度が深いほど首への負担が増えます。目線に近づけるだけで負担は大きく減ります。
② 1時間に1回は姿勢リセット
デスクワーク中は、意識的に立ち上がって肩や首を軽く動かしましょう。
③ 枕の見直し
高すぎる枕は首へ大きな負担がかかります。
横になったときに、頭・首・背中のラインが自然になる高さが理想です。
④ 体を温める
冬やクーラー環境では、首周りが冷えないように意識しましょう。
⑤ ほどよい運動
肩甲骨を動かす運動、軽いストレッチは非常に効果的です。

■ リハビリテーション
痛みが落ち着いてきたら、再発防止のための運動が重要です。
当院のリハビリについては 「リハビリテーションページ」 で詳しく説明しています。
Q&Aコーナー

Q1:ぎっくり首は何日くらいで治りますか?

多くの場合、3日〜1週間 ほどです。
ただし、原因が残っていると再発しやすいので注意しましょう。

Q2:お風呂に入ってもいいですか?

発症してから2日以上たっていればOKです。
初日は冷やしたほうが良いと思いますです。

Q3:スマホは使っても大丈夫?

痛みがあるうちは、できるだけ控えてください。
どうしても使うときは うつむきすぎない姿勢 を意識しましょう。

Q4:寝違えとぎっくり首は違いますか?

ほぼ同じような状態です。
どちらも首に急な負担がかかって起こるケガです。

Q5:部活動で痛めた場合もぎっくり首?

部活の動きで急に痛くなった場合も「ぎっくり首」に含まれます。
痛みが強い場合は整形外科での診察をおすすめします。
まとめ
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ぎっくり首とは、首の筋肉や関節を急に痛めた状態
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スマホ、長時間の同じ姿勢、寝姿勢、冷えが大きな原因
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初日は冷やし、2日たったら温める
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強いマッサージはNG
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しびれや長引く痛みは整形外科へ
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姿勢・枕・肩甲骨運動が予防のカギ






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