
膝の痛みとは
膝の痛みは、怪我、オーバーユーズ(過剰な運動)、または関節の炎症などの状態によって起きる整形外科受診のトップ3に入る一般的な症状です。膝の痛みの症状は、軽い不快感から、日常生活がしんどくなるほど深刻な痛みまで様々です。

膝の痛みの原因

膝の痛みの一般的な原因については大きく4つが挙げられます。
怪我、外傷
膝のケガは、スポーツ中だけでなく日常生活の中でも起こることがあります。
特に、
- 走る
- ジャンプする
- 急に方向を変える
- 人とぶつかる
このような動きが多いスポーツでは、膝に大きな負担がかかりやすく、ケガが起こりやすくなります。
ケガの種類としては、
- 骨折
- 捻挫
- 靭帯損傷
- 半月板や軟骨の損傷 などがあります。
過剰使用
膝は、体重を支えながら歩く・走る・しゃがむなど、毎日大きな負担がかかる関節です。
そのため、長い期間使いすぎることで、膝に痛みが出ることがあります。これをオーバーユース(使いすぎ)といいます。
特に、
- ランニング
- ジャンプ動作の多いバスケットボール・バレーボール
- 切り返しの多いサッカー・テニス
- ダッシュや踏ん張りが多い野球
などのスポーツをしている方に多くみられます。
また、スポーツ選手だけでなく、長時間の立ち仕事や歩く時間が長い方にも起こることがあります。
初めは違和感程度でも、無理を続けると痛みが強くなるため、早めのケアが大切です。
肥満
体重が増えると、その分だけ膝にかかる負担も大きくなります。
膝は歩く・階段を上る・立ち上がる動作のたびに体重を支えているため、体重が重いほど痛みが出やすくなります。
そのため、肥満がある方は膝の痛みのリスクが高くなります。
一方で、体重を少し減らすだけでも膝への負担は軽くなります。
- 動きやすくなる
- 階段が楽になる
- 痛みがやわらぐ
- 将来の変形予防につながる
このような改善が期待できます。
関節炎
膝には、炎症によって痛みや腫れが起こる関節炎がみられることがあります。
関節炎になると、膝の軟骨がすり減ったり、関節の中に炎症が起こったりして、
- 痛い
- 腫れる
- 曲げ伸ばししにくい
- 歩きにくい
といった症状が出ます。特に50歳以上で増えやすい傾向があります。
高齢の方に多い「偽痛風」
高齢の方で急に膝が腫れて痛くなる原因として多いのが、偽痛風です。
これは、膝の中にカルシウムの結晶がたまり、強い炎症を起こす病気です。
- 急に膝が痛くなる
- 赤く腫れる
- 歩けないほど痛む
このような症状が出ることがあります。
関節の水を抜いて検査し、必要に応じて炎症を抑える治療を行うことで、症状が改善することが多いです。
注意が必要な「化膿性膝関節炎」
一方で、細菌感染によって起こる化膿性膝関節炎という緊急性の高い病気が隠れていることもあります。
- 強い赤み
- 強い痛み
- 発熱
- 膝が大きく腫れる
このような場合は注意が必要です。放置すると関節が壊れることもあるため、早急な治療が必要です。
膝が急に腫れたら早めの受診を
「年齢のせいかな」と我慢せず、急な腫れや強い痛みがある場合は、早めに整形外科を受診することが大切です。

膝の症状
痛み
膝の痛みは、強い痛みから軽い違和感までさまざまです。痛みの原因は、関節・靭帯・軟骨・骨・半月板など膝のさまざまな部分にあります。特に、長時間座ったあとに立ち上がるときや、歩き始め、階段の上り下りなどで痛みを感じることが多くみられます。
腫れ
膝の痛みには、腫れが伴うことがあります。腫れは、炎症や怪我によって引き起こされることが多く、膝の動きを制限することがあります。
動きの制限
膝の痛みがあると、膝の動きが制限されることがあります。膝を伸ばしたり曲げたりすることが難しくなり、日常的な活動に支障をきたすことがあります。
ポップやクリックの音
膝の痛みには、ポンといったポップ音や膝が引っかかるようなクリックの音が伴うことがあります。これは、膝に異常な動きがある場合に発生することがあります。
これらの症状がある場合、膝の損傷を抱えている可能性があります。ただし、これらの症状があるからといって、必ずしも膝に問題があるわけではないので、症状が継続する場合や、痛みが強い場合は、整形外科への受診をおすすめします。

膝の診察

膝の痛みの診察では、まずは医師が患者様の症状を詳しく聞き取り、身体診察を行います。その上で画像検査を行います。
X線検査
X線検査は、骨の異常や変形を確認するために行われます。骨折や変形性関節症、膝関節の骨壊死や膝蓋骨脱臼などの疾患が確認できます。
MRI検査
MRI検査は、レントゲンでは見つからない軟部組織の異常や骨の損傷を確認することができます。膝のクッションである半月板の損傷や靭帯の損傷、膝蓋腱などの腱の評価も可能です。骨の損傷なども可能なので、非常に有用な検査です。当院ではMRIを設置しているために当日の検査も可能となっています。
CT検査
CT検査は、骨や周囲の組織の状態を詳しく確認するために行う検査です。骨折の場所や骨折のタイプを詳しく調べることができ、変形性関節症や骨腫瘍などの確認にも役立ちます。当院にCT装置はありませんが、必要に応じて他院をご紹介し、検査を受けていただくことが可能です。
膝関節穿刺
膝関節穿刺は、膝にたまった関節液を注射器で採取し、炎症や感染の有無を調べる検査です。関節液の色や状態も診断の参考になります。膝関節炎や関節リウマチ、感染性の関節炎などの確認に役立ちます。
超音波検査
近年では、超音波検査も膝の診断に役立っています。関節の奥までは見えにくいものの、表面に近い部分の評価にはとても有効です。炎症の状態は血流を見ることで確認でき、診察だけでは分かりにくい関節の水たまり(水腫)も見つけることができます。また、痛みのある部分に超音波を当てることで、腱・靭帯・神経の状態も詳しく調べることができます。

膝の痛みの治療
膝の痛みの治療は、疾患の種類や進行度合いによって異なります。以下に一般的な治療法をいくつか紹介します。
再生医療
再生医療は、自分の治る力を活かして、傷んだ組織の回復を目指す新しい治療法です。湿布や痛み止めでは改善しにくい慢性的な膝の痛みにも、新たな選択肢として注目されています。
手術は避けたい方、長引く痛みでお悩みの方にも期待される治療です。
当院でも実施可能で、入院不要・外来のみで治療が完結します。負担を抑えながら治療を進められるのも特徴です。
「もう治らないかも」と悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
ご興味がある方は、こちらのページへ
薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、ロキソニンなどの消炎鎮痛薬(NSAIDs)や痛み止めのお薬を使用することがあります。
また、膝の動きをなめらかにし、負担をやわらげる目的で、ヒアルロン酸注射を行うこともあります。ヒアルロン酸は関節の潤滑を助け、痛みの軽減が期待できます。
リハビリテーション
膝の筋力や柔軟性を高めるために、物理療法や運動療法、ストレッチなどのリハビリテーションを行うことがあります。これらの治療は、比較的軽い症状の改善や、手術後の機能回復・再発予防にも効果的です。
手術
症状が進行している場合や、保存療法で十分な改善がみられない場合は、手術が必要になることがあります。例えば、半月板損傷や膝関節の強い変形などが挙げられます。手術には、傷んだ部分の修復、人工関節への置換、膝関節鏡を用いた手術などがあります。






公式Xはこちら