子どもの腕が抜ける「肘内障」とは

こんにちは。
さくら通り整形外科クリニックの宇賀治 修平です。
小さなお子さんが突然、片方の腕を動かさなくなったという経験はありませんか。
「さっきまで元気だったのに急に腕を使わなくなった」
「抱っこしようとしたら腕を動かさずに泣いてしまう」
「転んだわけでもないのに腕をだらんとしている」
このような症状で整形外科を受診されるお子さんは、実は少なくありません。
その原因として多いのが
「肘内障(ちゅうないしょう)」です。
一般的には「腕が抜けた」と言われる状態ですが、実際には骨が完全に外れているわけではなく、肘の関節の中で骨の位置が少しずれてしまうことで起こります。
今回は、子どもに多いケガのひとつである肘内障について、
原因や症状、注意点をわかりやすく解説します。

子どもの腕が抜ける「肘内障」とは
肘内障とは、肘の関節にある橈骨頭(とうこつとう)という骨が、周囲の靭帯から少しずれてしまう状態です。
肘の関節では、橈骨頭という骨を輪状靭帯(りんじょうじんたい)という靭帯が輪のように囲んで支えています。
しかし、小さな子どもではこの靭帯がまだ柔らかく、骨の形も大人ほど安定していません。
そのため、腕に引っ張る力がかかったときに、骨が靭帯からずれてしまうことがあります。
医学的には
橈骨頭亜脱臼(とうこつとうあだっきゅう)
と呼ばれています。
肘内障は何歳くらいに多い?
肘内障は、主に
の子どもに多く見られます。
この年代では関節や靭帯がまだ柔らかいため、少しの力でも関節がずれやすいからです。
成長とともに靭帯が強くなり、骨の形も安定してくるため、
小学生になる頃にはほとんど起こらなくなります。
日常生活で起こりやすいシチュエーション

肘内障は、日常のちょっとした場面で起こることがあります。
例えば次のような場面です。
「そんなに強く引っ張ったわけではないのに…」
というケースも多く、保護者の方が驚かれることもあります。
これは子どもの関節がまだ発達途中であることが関係しています。
肘内障の症状
肘内障では、次のような特徴が見られます。
特徴的なのは、
そのため、
「ぶつけていないのに腕を動かさない」
という形で気づくことが多いです。
治療について
肘内障の場合、整形外科では整復(せいふく)という処置を行います。
これは、ずれてしまった骨を元の位置に戻す処置です。
処置自体は短時間で行えることが多く、
うまく整復できると
ことが多いのが特徴です。
繰り返すこともある
肘内障は、一度起こすと
繰り返すことがあるケガでもあります。
特に小さいお子さんでは、同じ腕で何度か起こることがあります。
そのため日常生活では
などの注意が大切です。
こんなときは整形外科へ
お子さんが次のような様子を見せた場合は、整形外科での診察をおすすめします。
肘内障のこともありますが、
骨折など別のケガの可能性もあるため、医療機関で確認することが大切です。
Q&Aコーナー












まとめ
肘内障は、小さなお子さんに比較的よく見られるケガです。
ポイントは次の3つです。
もしお子さんが突然腕を使わなくなった場合は、
無理に動かさず、早めに医療機関に相談するようにしましょう。






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「腕が抜けた」状態(肘内障)
です。