足底腱膜炎について

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こんにちは!さくら通り整形外科クリニックの宇賀治 修平です。今回は、足の裏の痛みで悩んでいる方が多い「足底腱膜炎」についてお話しします。足底腱膜炎は多くの人が経験する一般的な足のトラブルの一つですが、早期に適切な対処をすることで、痛みを軽減し、日常生活を快適に過ごせるようになります。この記事では、足底腱膜炎の原因、症状、治療法、そして予防策について、詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください!

1. 足底腱膜炎とは?

足底腱膜炎は、足裏にある「足底腱膜」と呼ばれる組織に炎症が生じた状態です。足底腱膜は、かかとから足指にかけての強靭な帯状の組織で、歩行やランニング時に足を安定させる役割を担っています。足底腱膜に過度な負担がかかると、微細な損傷が蓄積し、炎症が発生します。原因としては、長時間の立ち仕事や無理な運動、不適切な靴の使用などが挙げられます。

足底腱膜炎は、「足底筋膜炎」とも呼ばれることがありますが、足の外科学会では「足底腱膜炎」という用語がより推奨されています。

2. 症状の認識

足底腱膜炎の最も一般的な症状は、足の裏に感じる鋭い痛みです。特に朝起きて最初の一歩を踏み出す時に、かかとや足裏全体に強い痛みを感じることが特徴です。これは、夜間に足底腱膜が硬直し、最初の動作で急激に引っ張られるためです。また、長時間座っていた後や、立ち上がる際に痛みが強まることもあります。

進行すると、かかとや足指の付け根まで痛みが広がることがあり、慢性的な痛みに悩まされるようになるケースもあります。痛みが持続する場合や、歩行が困難になる場合は、速やかに専門医に相談することが大切です。

3. 診断方法

足底腱膜炎の診断は、患者の症状を聞き取り、足の状態を視診・触診することで行われます。必要に応じて、レントゲンや超音波検査、MRIなどを用いて、炎症の状態や他の疾患の可能性を確認します。早期に正確な診断を受けることで、効果的な治療計画を立てることができます。

4. 治療オプション

足底腱膜炎の治療には、いくつかの方法があります。主な治療法は以下の通りです

  • 安静:足にかかる負担を最小限に抑えることが重要です。無理な運動や立ち仕事を控え、患部を休ませましょう。
  • アイシング:痛みや炎症を和らげるために、患部を冷却します。1回15~20分程度、1日に数回行うと効果的です。
  • 適切な靴やインソールの使用:足にフィットする靴や中敷きを使うことで、負担を軽減します。特にアーチサポートがある靴が推奨されます。
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛みが強い場合は、ロキソニンなどの抗炎症薬が効果的です。
  • 理学療法やストレッチ:足底腱膜やふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチが、痛みの緩和と予防に役立ちます。
  • 体外衝撃波治療(ESWT):重症の足底腱膜炎には、衝撃波を用いて炎症を抑え、治癒を促進する治療が効果的です。当院でもこの治療を提供しており、私自身もこの治療を受けた経験がありますが、非常に効果的でした。

5. 予防策と日常生活での注意

足底腱膜炎を予防するためには、日常生活でのケアが重要です。適切な靴を選ぶことは、足への負担を軽減するために最も大切なポイントです。例えば、かかとがホールドされないクロックスやサンダルのような靴は避け、足首をしっかり支える靴を選びましょう。

また、長時間同じ姿勢でいることを避け、定期的に足を休めることも重要です。ふくらはぎの筋肉が固くなると、足底腱膜への負担が増加しますので、ふくらはぎのストレッチも併せて行うと効果的です。当院では、足のサイズ測定を行い、最適な靴やインソールの提案もしていますので、ぜひご相談ください。

6. ストレッチ

足底腱膜炎の予防と治療には、ストレッチが非常に有効です。すでに「足底腱膜炎ストレッチ!」という動画も公開しており、そちらで効果的なストレッチ方法をご紹介しています。また、近日中にさらに詳しいストレッチ動画も配信予定ですので、ぜひお楽しみにしてくださいね。

終わりに

足底腱膜炎は、適切なケアと治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期に改善することができます。痛みを感じたら、すぐに専門医に相談し、適切な処置を受けることが大切です。特に、朝の最初の一歩で強い痛みを感じる場合や、日常生活に支障が出ている方は、ぜひ当院にご相談ください。

今回の記事が、皆さんの健康管理に役立てば嬉しく思います。
次回も、皆さんの健康をサポートするための有益な情報をお届けする予定ですので、どうぞお楽しみに!

この記事を執筆した人
宇賀治 修平
  • 医学博士
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本足の外科学会認定医
  • 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本整形外科学会認定リハビリテーション医