【ロキソニン?カロナール?】市販の痛み止め の選び方 と 強さランキング トップ5 腰痛 膝の痛み を解消

YouTube
更新日:

【ロキソニン?カロナール?】

市販の痛み止めの選び方と強さランキングトップ5

こんにちは、福井県のさくら通り整形外科クリニック院長の宇賀治 修平です。今回は「市販の痛み止め」の選び方や特徴を徹底解説し、さらに痛み止めとしての“強さ”をイメージしやすいようにランキング形式でご紹介していきます。突然の頭痛や腰痛、歯痛など、日常生活の中で何かと痛みと向き合う場面は多いですよね。そんなときに近くのドラッグストアや薬局で購入できる市販薬は心強い存在ですが、一方で「どの薬を選ぶべきか迷う」「副作用は大丈夫か」などの不安や疑問を持つ方も少なくありません。そこで整形外科医として、日頃から患者さんに痛み止めを処方している立場から、実際の使用感やメリット・デメリットを踏まえて分かりやすくまとめました。正しい知識を身につけていただき、必要に応じて賢く市販薬を活用してもらえれば幸いです。

さて、最初に押さえておきたいのは、痛み止め(鎮痛薬)には大きく分けて「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」と「アセトアミノフェン系」の2種類があることです。NSAIDsの代表例としてはロキソニン(ロキソプロフェン)やイブプロフェン、ジクロフェナクなどが挙げられ、炎症を抑える力が強く、効果も比較的早く出るのが特徴です。一方で胃への負担や腎機能への影響など副作用にも注意が必要です。アセトアミノフェン系はタイレノールやカロナールが代表的で、比較的副作用が少なく、小児や高齢者にも幅広く使われています。痛みや発熱を和らげる効果は確かにありますが、炎症そのものを抑える力はNSAIDsほど強力ではありません。ご自身の症状や体質を考慮しながら、どちらがより適しているのかを見極めるのがポイントとなります。

それでは早速、私が独自に選んだ「市販の痛み止めランキング トップ5」を紹介しましょう。これは病院で処方される医療用医薬品と全く同じ成分を含むものもありますし、そうでない場合もあります。また、第1類医薬品・第2類医薬品という分類の違いも押さえておきましょう。第1類医薬品は薬剤師の対面販売が必要で、第2類医薬品は薬剤師不在でも購入が可能です。市販薬を手に取る際には、できるだけ薬局のスタッフに質問し、不安を解消してから購入することが望ましいです。それではランキングの5位から順番に、特徴や使い方、注意点などを詳しく解説していきます。

第5位:タイレノール

タイレノールは「アセトアミノフェン」を主成分とする鎮痛薬です。風邪による発熱や頭痛の際に医療機関でもよく使われる薬で、小児用の製剤も存在するほど安全性が高いのが魅力です。アセトアミノフェンは脳の視床下部に作用し、痛みや熱を感じにくくする作用があります。一方で胃腸への負担が少ないため、NSAIDsと比べて胃が弱い方も使いやすいと言われています。タイレノールは比較的軽い痛みに対して効果を発揮するので、強い関節痛や筋肉痛などにはあまり向いていない場合もあります。副作用のリスクは低めですが、アセトアミノフェンを含む市販薬や処方薬を併用し過ぎると肝機能に負担をかける可能性もあるため、用量・用法はしっかり守ってください。

タイレノールの特徴

  • 副作用が少なく、胃にやさしい
  • 小児や高齢者でも使用しやすい
  • 軽い痛みや発熱時に適している

他の薬と比べて炎症を抑える効果は弱めですが、胃に負担をかけたくない方や、マイルドな鎮痛剤を求める方には適した選択肢となります。

第4位:ボルタレンEX(外用薬)

ボルタレンEXは「ジクロフェナク」というNSAIDs系成分を含む塗り薬タイプの商品です。飲み薬ではなく外用薬であるため、痛みがある部分に直接塗りこむことで炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。関節痛や筋肉痛など、「ここが痛い!」という部位がはっきりしている場合に使いやすく、胃腸への負担が少ないことも利点です。ただし塗った部位の皮膚に湿疹やかぶれが起きる可能性はゼロではないので、使用前にパッチテストを行うか、皮膚症状がある場合は医師・薬剤師に相談しましょう。また、飲み薬よりも全身への作用は弱めな一方、患部に集中的に効果を届けられるというメリットがあります。「服用するのはちょっと抵抗がある」という方や、比較的軽度の炎症・痛みにアプローチしたい方におすすめです。

ボルタレンEXの特徴

  • 直接痛む部位に塗布するため、即効性がある
  • 内服薬と比べて消化器系への負担が少ない
  • 局所的な痛みに優れた効果を発揮

ボルタレンEXは、スポーツ後の筋肉痛や慢性的な関節痛など、特定の部位の痛みを和らげるのに適しています。

第3位:イブA

イブAは「イブプロフェン」を主成分とするNSAIDs系の鎮痛薬で、特に生理痛に対して効果が高いと知られています。生理痛は子宮の収縮による下腹部の痛みが特徴的ですが、イブプロフェンがプロスタグランジンの産生を抑制して痛みの悪循環を断ち切ってくれます。さらに、頭痛や歯痛、関節痛などの炎症を伴う痛みにも有効です。ただしNSAIDs系なので、胃への負担を考えると空腹時の服用は避け、食後に服用するなど注意が必要です。特に生理痛への即効性を求める方には定評がありますが、体質によっては効き目が強過ぎたり、逆に思ったほど効かないなど個人差もあります。用法を守って使う限りは比較的安全ですが、他のNSAIDsとの併用は避けるなど、飲み合わせにも配慮すると良いでしょう。

イブAの特徴

  • 生理痛に対する効果が高い
  • 炎症を抑える作用もあり、関節痛や筋肉痛にも有効
  • 空腹時の服用は避けるべき(胃に負担をかける可能性あり)

ロキソニンSと比べると即効性はやや劣りますが、女性の方にとっては日常的に役立つ痛み止めの一つです。

第2位:カロナール

カロナールもタイレノールと同じく「アセトアミノフェン」を主成分とする薬で、安全性の高さが特長です。アセトアミノフェンは解熱作用にも優れているため、発熱時に用いることも多く、医療機関でも小児や高齢者、妊婦さんにも比較的使いやすいとされています。胃腸が弱い方でも使いやすいのは大きなメリットで、「あまり強い痛み止めは飲みたくない」「比較的マイルドな薬を探している」という方に向いています。ただし、アセトアミノフェンが効く範囲の痛みは「軽度から中等度」までで、強い腰痛や炎症が激しい場合には効果が物足りない場合があります。また、飲み過ぎによる肝障害のリスクを避けるためにも、パッケージや添付文書に記載された用量は必ず守ってください。複数のアセトアミノフェン製剤を併用しないなどの注意も重要です。

カロナールの特徴

  • 小児や高齢者にも使用可能
  • 胃にやさしく、副作用が少ない
  • 軽度から中等度の痛みに適している

ロキソニンSほどの即効性はありませんが、日常的な頭痛や発熱時に安心して使える薬として、多くの医療機関で処方されています。

第1位:ロキソニンS

第1位は「ロキソニンS」。主成分である「ロキソプロフェン」は、体内で代謝されて初めて活性化する“プロドラッグ”の一種で、胃腸への負担が比較的少ないとされています。頭痛から歯痛、関節痛、さらには腰痛など幅広い痛みに即効性を発揮し、炎症にもアプローチするため「痛みが強い」「早く抑えたい」という方には最適です。第1類医薬品に分類されるので、ドラッグストアなどで買う場合は薬剤師が常駐している時間に購入する必要があります。副作用として胃のむかつきや腎機能への影響がまったく無いわけではないので、連続使用や過量服用は避けるべきですが、正しい方法で使えば非常に頼もしい薬の一つです。即効性や効果の広さで選ぶならまずはロキソニンSという声も多く、痛み止めとしてはトップクラスの人気を誇ります。

ロキソニンSの特徴

  • 強力な鎮痛・抗炎症作用
  • 頭痛、腰痛、歯痛など幅広い痛みに対応
  • 胃に負担をかける可能性があるため、食後に服用推奨

ロキソニンSは市販薬の中でも特に強力な痛み止めですが、第1類医薬品のため、薬剤師がいる時間帯にしか購入できない点に注意が必要です。

以上が私が考える「市販の痛み止め強さランキング トップ5」です。ただし強い薬が常にベストというわけではなく、症状の種類や程度、個人の体質や既往症などを考慮して選ぶ必要があります。たとえば、「少しの頭痛ならアセトアミノフェン系で十分」「生理痛にはイブプロフェン系を試したい」「腰痛が酷いときにはロキソプロフェンを検討したい」といった形で、薬ごとの得手不得手を把握しておくと便利でしょう。さらに注意していただきたいのは、市販薬はあくまで一時しのぎであり、長期的に使い続けるのは避けるべきだという点です。痛みが長引く場合や何度も同じ部位が痛む場合、大きな疾患が隠れている可能性もあるため、早めの受診が大切です。

市販薬を使用する際の注意点

それではここからは補足的な情報や注意点をさらに掘り下げていきます。まず、市販の痛み止めを使用する際に最も気をつけるべきポイントの一つが「併用薬のチェック」です。たとえば風邪薬や鼻炎薬などには、すでにアセトアミノフェンやNSAIDsが含まれている場合があります。知らず知らずのうちに同じ成分を重複して摂取してしまうと、副作用リスクが増大してしまう恐れがあります。とくに小児用シロップなど、一見別の症状に使う薬にも鎮痛成分が含まれていることがあるため、必ず成分表を確認しましょう。また、飲み会などでアルコールを摂取している際は肝臓や胃腸へのダメージが増えやすいため、痛み止めの服用は慎重に行うほうが望ましいです。

次に、用法・用量に関する注意です。痛み止めは症状を抑えて生活の質を維持するために役立つものですが、必要以上にダラダラと使い続けると効き目が悪くなるだけでなく、慢性的な副作用リスクも高まります。ロキソニンSは効き目が強くても、決められた回数や期間を守らずに使い続けると、胃や腎臓へのダメージが蓄積しやすいと言われています。痛みが続く場合は「痛みの原因が何なのか」をきちんと確かめることが重要であり、「とりあえず薬を飲んでごまかす」というのは根本的な解決にはなりません。「飲んでも痛みが改善しない」「痛みの度合いがどんどん強くなる」「発熱や腫れなどがある」といった場合は、放置せずに医師の診察を受けるべきです。

痛み止めは便利ですが、使い方には注意が必要です。

  1. 連続使用は避ける 長期間服用すると、薬の効果が薄れるだけでなく、隠れた病気を見逃す可能性があります。
  2. 適切な服用量を守る 指定された服用量を超えて使用すると、副作用のリスクが高まります。
  3. 痛みが続く場合は受診する 痛み止めで症状が改善しない場合、病気の可能性もあるため、医師の診察を受けることをおすすめします。

まとめ

今回ご紹介した市販の痛み止めには、それぞれ異なる特徴と効果があります。

最後に、今回挙げた5種類の市販薬はすべて特徴が異なります。強い痛みに適したもの、安全性が高く副作用が少ないもの、部位を選んで使える外用薬など、場面によって使い分けると便利です。特に第1類医薬品のロキソニンSは購入時に薬剤師との対面が必要となるため、そこで使い方や既往症などについて相談してみるのも良い方法です。痛み止めを正しく使うことで、日常生活における突然の痛みに対応しやすくなります。ただし繰り返しになりますが、痛みの原因がはっきりしないまま市販薬を頼り続けるのは危険も伴いますので、症状が長引くときや不安がある場合は速やかに病院を受診してください。

  • 軽い痛みや発熱 → タイレノール、カロナール
  • 生理痛や筋肉痛 → イブA
  • 関節痛や局所的な痛み → ボルタレンEX(塗り薬)
  • 強力な鎮痛作用 → ロキソニンS

 

Q&A

Q1. 痛み止めは種類を変えながら使ったほうがいいの?
A1. 基本的には、症状や体質に合った薬を一定期間しっかり使うほうが安全です。むやみに種類を変えると成分が重複したり、副作用リスクが増す可能性があります。医師または薬剤師に相談しながら最適な薬を見極めましょう。

Q2. 市販の痛み止めは風邪薬や鼻炎薬と一緒に飲んでも大丈夫?
A2. 風邪薬や鼻炎薬にも鎮痛成分が含まれている場合があり、重複摂取の恐れがあります。必ず成分表を確認し、分からない場合は薬剤師に相談してください。場合によっては併用を避ける必要があります。

Q3. 飲んでも痛みが全然良くならない時はどうすればいい?
A3. 痛みの原因が単なる軽症ではない可能性があります。医師に相談し、必要であれば画像検査や血液検査などを受けて原因を特定することが重要です。市販薬で対処できない痛みは早めの受診が望ましいでしょう。

Q4. ボルタレンEXを塗っても痛みが取れない場合はどうしたら?
A4. 塗り薬は効果が直接的である一方、症状が重い場合は飲み薬ほどの効果が得られない場合もあります。急性期や強い痛みに対しては内服薬を検討するか、医師に相談して処方を受けてください。皮膚トラブルがある場合は使用を中止し、早めに専門家の診察を受けてください。

Q5. ロキソニンSはいつでも買えるわけではないの?
A5. ロキソニンSは第1類医薬品に分類されるため、薬剤師が常駐している時間帯にしか購入できません。夜間などに買いに行く際は注意が必要です。また、購入時に服用歴や持病などを確認される場合がありますので、正直に申告しましょう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【参考文献】

  1. 厚生労働省「一般用医薬品の活用ガイドライン」
  2. 日本医師会「市販薬の正しい使い方」
  3. 日本薬剤師会「セルフメディケーションと薬の注意点」
  4. タイレノール製品情報(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
  5. ボルタレンEX製品情報(グラクソ・スミスクライン)
  6. イブA関連情報(エスエス製薬)
  7. カロナール添付文書(塩野義製薬)
  8. ロキソニンS製品情報(第一三共ヘルスケア)
    URL:

以上、「市販の痛み止め の選び方 と 強さランキング トップ5」について詳しくお伝えしました。タイレノールやボルタレンEX、イブA、カロナール、そしてロキソニンSという5種類は、それぞれ成分や作用機序、副作用のリスクなどが異なり、痛みの種類によって得意分野があることがお分かりいただけたと思います。急な痛みに備えて常備しておくのも良いですが、一方で「長期的な連用は避ける」「思わぬ重症のサインを見逃さない」などの点は常に頭に入れておきましょう。痛み止めはあくまでも応急的な手段です。痛みが持続したり、何度も繰り返す場合は、その背景に重大な疾患が隠れているかもしれません。気になる症状があるときは自己判断で済ませず、ぜひ医療機関を受診してください。今後も皆さまの健康維持や生活の質向上に役立つ情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

この記事を執筆した人
宇賀治 修平
  • 医学博士
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本足の外科学会認定医
  • 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本整形外科学会認定リハビリテーション医