【筋肉が溶けて歩けなくなる!?】横紋筋融解症の原因と予防法を徹底解説!スタチンのリスクと安全性もわかる!筋肉が溶ける?

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筋肉が溶ける!?横紋筋融解症とは?

はじめに

みなさんは「筋肉が溶ける病気」があると聞いたら、どのように感じるでしょうか。ちょっと怖いですよね。
この「筋肉が溶ける病気」の正式名称は「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」といいます。ここでは、横紋筋融解症がどんな病気なのか、どうして起こるのか、そして予防方法や治療のポイントは何か、できるだけやさしい言葉で解説していきます。


1. 横紋筋融解症ってなに?

横紋筋融解症とは、骨格筋(いわゆる運動や姿勢を保つための筋肉)が何らかの原因でダメージを受けてしまい、筋肉の中にある物質が血液に流れ出る状態を指します。筋肉細胞が破壊されると、ミオグロビンというタンパク質やCK(クレアチンキナーゼ)といった酵素が大量に放出されます。これらが血液中に増えることで、腎臓に悪影響を及ぼし、場合によっては急性腎不全という深刻な状態になることもあるのです。

  • 筋肉が溶ける?
    実際には筋肉細胞が「融解(ゆうかい)」するわけではなく、「壊れる」イメージです。とはいえ、日常生活ではあまり耳にしないほど、大きな筋肉ダメージが起きていることは確かです。
  • 主な症状
    • 筋肉痛や、押すと強い痛みがある。
    • 筋力低下、動きづらさ。
    • 尿の色が茶色や赤っぽくなる(ミオグロビンが排出されるため)。
    • だるさや倦怠感、発熱。

こうした症状が見られたら、横紋筋融解症の可能性がありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。


2. どうして起こるの?原因はいろいろ

(1) 激しい運動

運動をほとんどしていない人が、いきなり長時間のランニングや重いウェイトトレーニングをすると、筋肉に大きな負担がかかります。筋肉が破壊されるほどの強い負荷が続くと、横紋筋融解症になるリスクが高まります。
特に暑い日の運動で汗をかきすぎて、水分補給が足りない状態になると、血液量が減って筋肉に十分な酸素や栄養がいきわたらず、より損傷しやすくなります。

(2) スタチン(コレステロールを下げる薬)

心臓病や脳卒中を予防するために使われる「スタチン」という薬も、横紋筋融解症の原因になることがあります。ただし、その確率は非常に低く、多くの人にとってはスタチンのメリット(動脈硬化の予防など)のほうが大きいとされています。
注意点として、スタチンを飲み始めた最初の数週間から数ヶ月に、筋肉の痛みなどが出るかどうかをしっかりチェックして、異変を感じたらすぐに医師に相談することが大切です。

(3) 脱水や高熱

体内の水分が足りない脱水状態や、高熱が続く状態でも横紋筋融解症は起こりやすくなります。十分な水分補給を心がけ、発熱時には無理をせず休むことが予防につながります。

(4) その他の原因

事故や怪我などの外傷、薬の飲み合わせ、感染症、毒性のある物質への暴露など、さまざまな原因で筋肉が大きく損傷すると起こる可能性があります。


3. 予防するには?

(1) 適度な運動

いきなりハードな運動をするのではなく、ウォーキングや軽いジョギングなど、体力に合わせた運動から始めましょう。慣れてきたら少しずつ負荷を上げることで、筋肉が徐々に強くなり、ケガをするリスクが減ります。

(2) 十分な水分補給

特に運動前後や暑い日は、こまめに水分を補給してください。体の中の水分が不足すると、血液の巡りも悪くなり、筋肉への負担が大きくなります。

(3) スタチンの正しい管理

スタチンを飲むときは、医師と相談しながら用量や使用期間を守ることが大切です。副作用が気になる場合は、自己判断で中断せず、一度医師に相談してから調整してもらいましょう。

(4) 無理はしない

疲労を感じているときや体調が悪いときは、思い切って休むことも大切です。睡眠不足やストレスが溜まると、筋肉の回復力が落ちてダメージを受けやすくなります。


4. Q&Aコーナー

Q1. スタチンを飲んでいたら必ず横紋筋融解症になりますか?
A1. いいえ。そのリスクは非常に低いとされています。むしろスタチンが持つ心血管疾患予防のメリットは大きく、多くの人にとっては服用を続けた方が健康に役立ちます。ただし、筋肉に痛みや違和感があれば早めに受診しましょう。

Q2. 運動中や後に筋肉痛があるときは、どの段階で病院に行けばいいですか?
A2. 普段の「翌日に出る筋肉痛」とは違い、押すと激痛があったり、動くのが難しいほどの痛み、あるいは尿が赤や茶色に変色した場合はすぐに受診してください。これらは横紋筋融解症のサインの可能性があります。

Q3. 脱水が原因と聞きましたが、どれくらい水を飲めばいいですか?
A3. 個人差はありますが、運動前後や発汗量が多いときには意識的に水分を摂るようにしましょう。目安としては、のどの渇きを感じる前からこまめに飲むことが大切です。ただし、一気に大量に飲むのではなく、少しずつ分けて飲むことがポイントです。

Q4. 横紋筋融解症は完治しますか?
A4. 早期に発見して適切な治療を行えば、多くの場合は回復が期待できます。ただし、腎臓へのダメージが大きい場合には、長引いてしまうこともあるので注意が必要です。


5. 図表で見る「横紋筋融解症のリスクと予防策」

以下は、横紋筋融解症の主なリスク要因と、それに対する予防策を簡単にまとめた表です。

リスク要因 具体例 予防策
激しい運動 いきなり長距離ランニング、重い筋トレ 運動強度を徐々に上げる
適度な休養とストレッチ
スタチンなどの薬剤 コレステロール低下薬
特に高用量や併用薬
医師の指示に従い用量を守る
異常を感じたらすぐ相談
脱水状態 水分不足
大量の発汗
運動前後のこまめな水分補給
スポーツドリンクで電解質補給
外傷・打撲 事故や転倒
激しいスポーツでの衝突
十分なウォーミングアップ
防具の使用(スポーツ時)
体調不良・高熱 風邪やインフルエンザ
長引く高熱
休養を優先し、無理な運動を避ける
発熱時はこまめに水分と栄養を摂る
その他の要因 毒素・感染症
筋肉の代謝異常
原因を特定して医師の治療を受ける
症状を見逃さず、早期発見・早期治療

6. もし横紋筋融解症になったら

  • 早めに医師の診断を受ける
    筋肉痛や倦怠感、尿の色の変化などの初期症状に気づいたら、なるべく早く病院へ行きましょう。血液検査や尿検査でCK(クレアチンキナーゼ)やミオグロビンの値が高い場合、横紋筋融解症が疑われます。
  • 治療の基本は水分補給と安静
    病院では、点滴で水分を補給し、腎臓を保護するための治療が行われます。腎臓に負担をかけないように体内の老廃物を早く流し出すことがポイントになります。
  • 腎不全を防ぐ
    横紋筋融解症でもっとも怖い合併症は急性腎不全です。筋肉細胞から漏れ出したミオグロビンが腎臓の細い管を詰まらせることがあります。治療が遅れたり重症化したりすると、透析が必要になるケースもあります。

ここまでの内容はYOUTUBEで解説してします。より理解しやすいので、参考にしていただけると幸いです。


7. まとめ

横紋筋融解症は、筋肉が大きなダメージを受けて壊れる病気です。運動、薬(スタチンなど)、脱水、外傷などさまざまな原因がありますが、生活習慣を見直しながら注意深く行動すれば、多くの場合は予防できます。もし筋肉に強い痛みがあったり、尿が変色したりしたら、すぐに医療機関を受診し、早期発見・早期治療を心がけましょう。


参考文献

  1. Knochel, J. P. (1993). Rhabdomyolysis and myoglobinuria. Infectious Disease Clinics of North America, 7(4), 793–805.
  2. Nance, J. R., & Mammen, A. L. (2015). Diagnostic evaluation of rhabdomyolysis. Muscle & Nerve, 51(6), 793–810.
  3. Huerta-Alardín, A. L., Varon, J., & Marik, P. E. (2004). Bench-to-bedside review: Rhabdomyolysis – an overview for clinicians. Critical Care, 9(2), 158–169.
  4. Watanabe, H., et al. (2019). Statin-induced rhabdomyolysis. Journal of Cardiology, 73(4), 301–306.

(上記は一例として挙げています。日本語文献やガイドラインなども、適宜参照してください。)


終わりに

いかがでしたか?
「横紋筋融解症」というとちょっと難しく感じるかもしれませんが、要点をまとめると以下の通りです。

  • 筋肉痛や尿の色の変化などに要注意。
  • 運動するときは無理をせず、水分をしっかり摂る。
  • スタチンなどの薬を飲んでいる方は自己判断で止めず、医師に相談。
  • 異変があれば早めに病院を受診して検査を受ける。

自分の体調をしっかり把握して、もしも怪しいサインがあれば早めの行動が大切です。大きな病気を未然に防ぐためにも、日頃から健康的な生活習慣を心がけるようにしましょう。