肩の痛みを解消!原因と治療法について
こんにちは、さくら通り整形外科クリニックの宇賀治 修平です。今回は、肩の痛みについてお話しします。「肩が痛くて夜眠れない」「肩を動かすと痛い」といった経験をお持ちの方も多いかと思います。実は、この肩の痛みは肩こりとは違い、さまざまな原因が考えられるのです。
この記事では、肩の痛みの原因と、それに対する治療法や自宅でできる対策について分かりやすく解説します。ぜひ、肩の痛みにお悩みの方は最後までお読みいただき、ご自身のケアに役立ててください。
肩の仕組みとその重要性
肩は私たちが日々使う部位のひとつです。物を持ち上げたり、手を伸ばしたり、頭の上に物を上げたりする動作は、すべて肩の動きによって支えられています。肩の関節は特に自由度が高く、あらゆる方向に動かすことができます。このため、肩は日常生活において非常に重要な役割を果たしています。
肩の関節は「ボールとソケット」型の構造を持っています。上腕骨(腕の骨)の丸い部分が肩甲骨という骨の窪みにはまり、スムーズに動くことができるようになっています。また、周りには肩を支える筋肉や靭帯があり、これらがしっかりと肩を安定させながら動きを支えています。
肩の痛みの主な原因
肩が痛む理由はいくつかありますが、主に以下のようなものが考えられます。
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腱板(けんばん)の傷
肩を動かすための筋肉と骨をつないでいる「腱板」が、過度に使われたり、無理な動きをしたりすることで傷つくことがあります。これが原因で肩を上げると痛くなったり、動かすのが難しくなったりします。特にスポーツ選手や力仕事をする人に多く見られます。 -
凍結肩(フローズンショルダー)
肩が固くなり、痛みとともに動かしにくくなる状態を指します。原因ははっきりしていないことも多いですが、痛みのせいで肩を動かさない期間が続くと、さらに症状が悪化することがあります。治療には時間がかかることが多く、早期の対処が重要です。 -
肩の筋肉が挟まる状態(インピンジメント症候群)
肩の筋肉や腱が骨に挟まってしまい、動かすと痛みが生じる状態です。特に長時間のデスクワークやスポーツで繰り返し肩を使うことが原因で起こりやすいです。 -
肩の炎症(滑液包炎)
関節の周りにあるクッションのような部分が炎症を起こすことで、肩を動かすたびに激しい痛みを感じます。過度な動作や急激な負荷が原因で、痛みが強いときは休息が必要です。 -
関節のすり減り(関節炎)
年齢とともに関節の軟骨がすり減ってしまうことで、肩に痛みや腫れが生じます。この状態は、特に高齢者に多く見られます。痛みを軽減するために、定期的な治療や運動が大切です。 -
腱の炎症(腱炎)
肩の筋肉を支える腱が炎症を起こすと、痛みが出ます。特に腕をよく使う人に多く見られ、休息や薬の使用が必要です。 -
肩の骨折
転倒や事故などで、肩の骨が折れてしまうと激しい痛みとともに肩を使うことが難しくなります。重度の場合は手術が必要なこともあります。
症状の特定と診断方法
肩の痛みを感じたら、まずは原因を特定することが大切です。痛みの位置や、どんな動きで痛みが強くなるかを把握することで、適切な治療へとつなげることができます。
診断には、身体の状態を確認するほかに、レントゲンや超音波、MRIといった検査が用いられます。特に、超音波検査はリアルタイムで肩の状態を観察できるため、痛みの原因を素早く突き止めるのに役立ちます。動かしながら検査を行うことで、どの筋肉や腱が問題になっているかを正確に確認できます。
肩の痛みの治療法
肩の痛みを和らげるためには、いくつかの治療法があります。以下は一般的な治療法です。
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冷却療法(アイシング)
痛みがひどいときや腫れがあるときは、冷却療法が効果的です。冷たいパックや氷を使って肩を冷やすことで、炎症を抑えることができます。 -
リハビリや運動療法
肩の筋肉を強化したり、柔軟性を高めたりする運動が、痛みの再発を防ぐ効果があります。理学療法士の指導のもと、肩を動かすことで機能回復を目指します。 -
薬の使用
痛みを和らげるために、鎮痛薬や抗炎症薬が使われることがあります。痛みが強い場合は、短期間使用することで症状を緩和します。 -
注射療法
肩の痛みに対しては、ステロイド注射やヒアルロン酸注射が有効です。これにより、炎症が抑えられ、動きがスムーズになります。 -
手術
腱板損傷や関節の変形が重度の場合、手術が必要になることもあります。手術後はリハビリを続けることで、肩の機能を徐々に回復させます。
自宅でできる肩のケア
肩の痛みを和らげるために、自宅でできる簡単なケア方法もあります。
- ストレッチや軽い運動: 肩の痛みがひどくない場合は、肩を軽く動かすストレッチや運動が効果的です。無理をせず、痛みのない範囲で行いましょう。
- アイシングや温める: 急な痛みには冷やすことが効果的ですが、慢性的な痛みには温めることも有効です。肩を温めることで血流を良くし、回復を促進します。
- 姿勢を良く保つ: 肩の負担を減らすために、日常生活で正しい姿勢を意識しましょう。特にデスクワークの方は、定期的に肩を動かして筋肉をほぐすことが大切です。
まとめ
今回は、肩の痛みの原因と治療法についてお話ししました。肩の痛みは無視せず、早めに適切な対処をすることが重要です。もし肩の痛みが続く場合は、ぜひ専門医にご相談ください。当院では、肩の痛みに対する様々な治療法をご提供しています。どんな小さな症状でも気軽にお越しくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回も、皆さんの健康をサポートする情報をお届けしますので、どうぞお楽しみに!
- 医学博士
- 日本整形外科学会整形外科専門医
- 日本足の外科学会認定医
- 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
- 日本骨粗鬆症学会認定医
- 日本整形外科学会認定リハビリテーション医