【ウォーキングは危険!?】整形外科医が解説!高齢者向けの超簡単トレーニング3選

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はじめて

ウォーキングは健康維持のために推奨される運動のひとつですが、高齢者にとってはリスクも伴う運動です。膝や腰への負担が大きく、正しく行わなければ関節痛やケガの原因にもなります。

また、「ウォーキングをすれば痩せる」「運動はウォーキングだけで十分」と考えている方も多いですが、実際にはウォーキングだけでは効果が不十分です。

では、高齢者が安全に運動を続けるためには何が必要なのか?
本記事では、ウォーキングのメリット・デメリットを解説し、それを補う効果的なトレーニング方法をご紹介します!

1. ウォーキングの効果とリスク

ウォーキングには以下のようなメリットがあります。

ウォーキングのメリット

心肺機能の向上 → 有酸素運動として心臓や肺の働きをサポート
血流改善 → 足のむくみや冷え性の予防
メンタルヘルスの向上 → 屋外での運動はストレス解消効果がある

しかし、ウォーキングだけでは運動不足を完全に解消することはできません

ウォーキングの課題

消費カロリーが少ない
 → 体重60kgの方が1時間歩いても消費カロリーは約200~300kcal。脂肪燃焼効果は限定的で、ダイエットには不十分。

膝や腰への負担が大きい
 → 高齢者は関節のクッション機能が低下しているため、長時間のウォーキングで膝や腰を痛めるリスクが高い。特に体重が重い方は要注意。

筋力低下を補えない
 → ウォーキングは有酸素運動なので、筋力を直接鍛える運動ではない。筋肉が落ちると基礎代謝が下がり、痩せにくい体質になってしまう。

時間の制約
 → 毎日1時間のウォーキングを続けるのは、忙しい方や体力のない方には難しい。

2. 正しいウォーキングの方法

ウォーキングの効果を最大限引き出すためには、以下のポイントを意識しましょう。

正しいウォーキングのポイント

歩幅を広めにする → 大股で歩くことで下半身の筋肉をより多く使い、カロリー消費を高める
正しいフォームを意識する → 背筋を伸ばし、腕をしっかり振ることで全身運動の効果が高まる
ペースの調整 → 軽く息が上がる程度の速さ(目安:1分間に60~80m)
時間帯を工夫する → 朝のウォーキングは基礎代謝を上げ、1日を通して脂肪燃焼を促進

3. ウォーキングの効果を高める「足上げ体操」

ウォーキングの効果を最大化するには、筋力トレーニングを組み合わせることが重要です。ここでは、特におすすめの「足上げ体操」を紹介します。

エクササイズ1:膝上げ体操(もも上げ)

【方法】

  1. 椅子に座り、片足を膝が90度以上になるまで持ち上げる
  2. 5秒キープし、ゆっくり下ろす
  3. 左右10回ずつ行う

【効果】
・ 大腿四頭筋を鍛え、膝の安定性を向上
・ 変形性膝関節症の進行を遅らせる

エクササイズ2:足首上げ体操(つま先上げ)

【方法】

  1. 壁や椅子を支えにして立つ
  2. かかとを床につけたまま、つま先を持ち上げる
  3. 5秒キープし、15回繰り返す

【効果】
・ 足首のバランス感覚を向上させ、転倒リスクを40%以上軽減

エクササイズ3:横足上げ体操(中臀筋強化)

【方法】

  1. 横向きに寝転がり、上の足を伸ばして持ち上げる
  2. 5秒キープし、ゆっくり下ろす
  3. 片側10回ずつ行う

【効果】
・ 股関節周りを鍛え、歩行の安定性を向上

エクササイズ4:片足立ち運動

【方法】

  1. 壁や椅子に手を添えて両足で立つ
  2. 片足を軽く持ち上げ、膝を90度に曲げる
  3. 10秒間キープし、反対側も同様に行う

【効果】
・ バランス能力の向上
・ 足首やふくらはぎの筋力強化
・ 骨密度の維持

4. 運動と栄養の組み合わせ

運動だけでなく、適切な食事も健康維持には欠かせません。特に、筋力を維持するためにはたんぱく質の摂取が重要です

食事のポイント

たんぱく質をしっかり摂る(目安:体重1kgあたり1.0~1.2g)
おすすめ食品 → 魚、鶏むね肉、大豆製品、卵、乳製品
水分補給も忘れずに → 運動前後はコップ1杯の水を飲む習慣をつける

5. よくある質問

Q1. 高齢者にはどれくらいの運動が適切?

A. 週に150分以上の有酸素運動が推奨(1日20分のウォーキング+体操)

Q2. 痩せるにはどのくらい続ければいい?

A. 最低でも2~3週間継続が必要(個人差あり)

Q3. 膝が痛い場合の運動は?

A. 椅子に座ったままできる運動からスタート(膝に負担をかけない)

Q4. 運動以外で痩せるポイントは?

A. たんぱく質をしっかり摂り、糖質の摂取を適度に調整する

Q5. いつ運動するのが効果的?

A. 朝にウォーキング、夜に体操が理想的(代謝を上げる効果)

6. まとめ

ウォーキングは健康に良い運動ですが、高齢者には関節への負担や筋力低下の補完が不十分などの課題があります。より効果的に健康を維持するには、適切な補助運動と栄養管理が不可欠です。

ウォーキングのポイント

正しいフォームで歩幅を広めにし、短時間でも質を重視
朝のウォーキングで代謝を上げ、効率的に脂肪燃焼
長時間より継続が重要。無理なく毎日続ける

ウォーキング+補助運動で最大効果

ウォーキングだけでは不十分な筋力強化を、以下の運動で補います。

膝上げ体操(下肢筋力UP)
つま先上げ(バランス強化)
横足上げ(股関節安定)
片足立ち(転倒予防&骨密度維持)

運動×栄養で相乗効果

たんぱく質をしっかり摂取(1日体重1kgあたり1.0~1.2g)
水分補給で代謝促進
食事+運動の習慣化で健康寿命を延ばす

◆ 実践プラン(1日20分)

  1. ウォーキング(10分) – 朝に歩いて代謝UP
  2. 補助運動(10分) – 筋力UP&転倒予防
  3. 栄養管理 – たんぱく質を意識した食事
この記事を執筆した人
宇賀治 修平
  • 医学博士
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本足の外科学会認定医
  • 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本整形外科学会認定リハビリテーション医