【骨は大丈夫…でも痛い?】その原因、MRIなら見えるかもしれません

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はじめに
「運動中にケガをしたけど、レントゲンでは“骨は異常なし”と言われた」
「湿布と安静で様子見と言われたけど、痛みや違和感がなかなか引かない」

そんな経験はありませんか?

実はその痛み、骨以外の“中身”に原因があるかもしれません。
今回は、YouTubeでも解説した内容をもとに、MRI検査で何が分かるのかを、部位別に分かりやすくご紹介します。

レントゲンとMRIの決定的な違い

まず大切なポイントから。

・レントゲン:骨折や骨の変形を見るのが得意
・MRI:靱帯・腱・半月板・軟骨・神経など「やわらかい組織」を映せる

つまり、
👉 「骨は大丈夫」と言われても、痛みの原因が否定されたわけではない
ということです。

スポーツ外傷や慢性的な痛みでは、MRIが“次の一手”になることが少なくありません。

【首(頸椎)】しびれや腕の痛みの正体とは?

首の中には、

・骨と骨の間のクッション(椎間板)
・神経の大通り(脊髄・神経根)
・それを支える靱帯

があります。

MRIで分かる代表的なトラブル
・椎間板ヘルニア(神経を押しているか)
・神経の通り道の狭さ(頸椎症・狭窄)
・むち打ち後の靱帯損傷や炎症

腕に走る痛みやしびれ、力の入りにくさがある場合、
MRIで原因を“見える化”することが治療への近道になります。

特に、むち打ちでは

・首を支える靱帯(骨と骨をつなぐひも)
筋肉・筋膜
・神経のまわりの軟部組織
・骨の中の微細な打撲(骨挫傷)

といった部位の損傷を認め、これらはレントゲンのみでは判断することができません。

そのため、交通事故後はMRI検査もできる医療機関”を受診し、精密な検査を行うと安心です。

⬇︎⬇︎関連動画はこちら⬇︎⬇︎


【腰・背骨】腰痛や脚のしびれが続くとき

腰にも“ゼリー入りドーナツ”のような椎間板があり、すぐ近くを脚へ向かう神経が通っています。

MRIが役立つケース
・椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛
・成長期の疲労骨折(分離症など)の初期サイン
・神経の通り道が狭くなる脊柱管狭窄症

特に成長期の腰痛は、レントゲンでは異常が分からないことも多く、
MRIで「骨の中の炎症(むくみ)」を捉えることで早期対応が可能になります。


【股関節】付け根の痛み、原因不明と言われたら

股関節は、

・骨のボールと受け皿
・表面の軟骨
・フチを支える関節唇(パッキンの役割)

で構成されています。

MRIで分かること
・関節唇損傷(ひねり動作後の痛み)
・骨のストレス障害・疲労のサイン
・軟骨のすり減りや炎症

「レントゲンは異常なし。でも走ると痛い」
そんなとき、原因が“中身”に隠れていることは珍しくありません。


【膝】靱帯・半月板はレントゲンに写らない

膝はとても複雑な関節です。

・前十字靱帯などの靱帯
・クッション役の半月板
・関節軟骨
MRIが必要になる場面
・ジャンプ着地や急な方向転換後の不安定感
・ひねった後、腫れは引いたが痛みが残る
・スポーツ復帰の可否を判断したいとき

MRIでは、靱帯の断裂や半月板の裂け目がはっきり確認できます。

また、膝関節において靭帯や半月板、関節軟骨の損傷と体重コントロールは密接な関係があると多くの研究で報告されています。

⬇︎⬇︎安全に体重管理を行い、膝の痛みを改善したい方はこちら⬇︎⬇︎


【足首】「ただの捻挫」で終わらせないために

足首の捻挫では、

・靱帯が伸びているのか、切れているのか
・軟骨が欠けていないか
骨の中に炎症が残っていないか

といった点が重要です。

レントゲンで骨折がなくても、
MRIなら“ほつれた靱帯”や“えぐれた軟骨”まで評価できます。


MRIは「治療の地図」を描く検査

MRIの最大の価値は、
「どこが・どれくらい・何に影響されているか」を明確にできること。

・安静でよいのか
・リハビリを始めてよいのか
・注射や手術を考えるべきか

――その判断材料になります。――


まとめ|骨は無事でも、痛みの原因は別にあることがある
・レントゲンは「骨」
MRIは「やわらかい中身」

骨に異常がないのに痛みや不安定さが続く場合、
靱帯・腱・軟骨・神経に原因が隠れていることは少なくありません。

遠回りせず、安心して回復・復帰するために。
必要に応じてMRIを活用し、体の状態を正しく知ることが大切です。

⬇︎⬇︎これらの内容をまとめた動画はこちら⬇︎⬇︎

この記事を執筆した人
宇賀治 修平
  • 医学博士
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本足の外科学会認定医
  • 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本整形外科学会認定リハビリテーション医