【医師が本音で語る】実はあまり飲まない薬とは?風邪薬・抗生物質・鎮痛薬のウラ話

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こんにちは!
さくら通り整形外科クリニック院長の宇賀治修平です。

今回は、少しドキッとするテーマ――「医師はどんな薬をあまり飲まないのか?」についてお話しします。

「先生、薬ってやっぱりたくさん飲むんですか?」と聞かれることがありますが、実は、医療従事者だからこそ、薬の怖さもよく知っているもの。もちろん、必要な時はしっかり使いますが、不要な時には極力避けるようにしています。

この記事では、私が「できるだけ控えている薬」とその理由を詳しく解説していきます。あなたが日頃から何気なく使っている薬についても、新たな視点が見えてくるかもしれません。

風邪薬 治しているのではなく、症状をやわらげるだけ!?

風邪をひくと「とりあえず風邪薬!」となりがちですが、実はこれは対症療法です。

風邪薬は、熱、鼻水、咳などの症状を一時的に楽にするもの。ウイルスを退治する力はありません。
私自身、軽い風邪ならまずは休息と水分補給を徹底。薬は本当に辛いときだけにとどめています。

抗生物質:風邪には効かない

「風邪のとき、抗生物質を出してほしい」と言われることがありますが、これは大きな誤解です。

抗生物質は細菌を殺す薬であり、ウイルス性の風邪には全く効きません。むやみに使うと「耐性菌」を生むリスクがあり、将来本当に必要なときに薬が効かなくなることも。

医師が慎重に使うのは、このためです。

鎮痛薬:必要な時だけ、一時的に

鎮痛薬(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)は、痛みを和らげる強い味方ですが、使い方を間違えると体に負担がかかります。

例えば、胃を荒らす副作用や腎機能への影響、そして「薬物乱用頭痛」といった問題も。痛みは「SOSサイン」なので、根本治療を目指すべきです。
私は、自分で飲むときも「最小限・短期間」にとどめています。

サプリメント:まずは食事から

最近は「健康のために」とサプリメントを常用する方が増えました。ですが、サプリメントはあくまで“補助”。足りない栄養素を補うものです。

過剰摂取により、健康被害が出ることもあるため、私は「血液検査で必要な時だけ」にしています。特に脂溶性ビタミン(A、Dなど)は摂りすぎ注意です。

漢方薬:自然=安全ではない

「自然由来だから副作用がない」と思われがちな漢方薬ですが、実際は長期使用で副作用が出ることもあります。

特に「甘草」を含む漢方は、むくみ・高血圧などのリスクが知られています。市販の漢方薬も、長期間使うなら医師の指導を受けるのが安心です。

よくある質問

Q. 風邪のとき、薬は全く飲まなくていいの?

A. 軽い症状なら薬なしで治ることが多いですが、熱が高い・長引く場合は受診をおすすめします。

Q. 鎮痛薬は毎日飲んでも大丈夫?

A. 基本的に一時的な使用が推奨されます。慢性的な痛みは専門医にご相談ください。

Q. サプリメントは何種類飲んでも大丈夫?

A. 成分の重複や相互作用のリスクがあるので、基本は必要最低限に。

Q. 漢方薬はずっと飲んでいても平気?

A. 効果が見られない時や長期使用の場合は、必ず見直しを。

まとめ

薬はとても大切な存在ですが、「必要な時に、必要な量を正しく使う」ことが大事です。

✔️風邪薬は症状を和らげるだけ
✔️抗生物質は細菌感染にのみ使う
✔️鎮痛薬は短期的に
✔️サプリや漢方も「飲み続ければ安心」ではない

この意識が、あなたの健康を守る大きなポイントになります。ぜひ、薬とうまく付き合いながら、元気な毎日を過ごしていきましょう。

これらの話をまとめたのがコチラ

 

参考文献

1. 厚生労働省「医薬品適正使用のガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/
2. 日本医師会「一般用医薬品(OTC薬)の正しい使い方」
https://www.med.or.jp/
3. 世界保健機関(WHO)Antimicrobial resistance (AMR)
https://www.who.int/
4. 日本薬剤師会「薬とサプリメントの飲み合わせ」
https://www.nichiyaku.or.jp/

この記事を執筆した人
宇賀治 修平
  • 医学博士
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本足の外科学会認定医
  • 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本整形外科学会認定リハビリテーション医