変形性膝関節症でも筋トレは必要?おすすめの運動を紹介

こんにちは、理学療法士の西田です。

膝が痛いのに、筋トレをしても大丈夫なの?

変形性膝関節症と診断された患者様から、このような質問をいただくことがあります。

膝が痛いと、「できるだけ動かさない方がいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、変形性膝関節症では、その方の状態に合わせて適切に身体を動かし、筋力を維持していくことがとても大切です。

今回は、変形性膝関節症と筋力トレーニングの関係や、ご自宅でも取り組みやすい運動について、理学療法士の視点からご紹介します。

変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨や半月板などに変化が起こり、痛みや動かしにくさなどが現れる病気です。

代表的な症状として、次のようなものがあります。

  • 立ち上がるときに膝が痛い
  • 歩き始めに痛む
  • 階段の上り下りがつらい
  • 長時間歩くと膝が痛くなる
  • 膝が曲げ伸ばししにくい

症状が強くなると、「痛いから動かない」という生活になりやすくなります。しかし、動く量が少なくなることで、膝を支えている筋肉まで弱くなってしまうことがあります。

膝が痛くても筋トレは必要?

結論からいうと、変形性膝関節症の方にも筋力トレーニングは重要です。

特に重要なのが、太ももの前にある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」など、膝や股関節周囲を支える筋肉です。これらの筋肉は、次のような日常生活のさまざまな動作に関わっています。

  • 立ち上がる
  • 歩く
  • 階段を上る
  • 膝を安定させる

膝が痛いからといって長期間ほとんど動かさずにいると、筋力や体力が低下し、さらに歩くことが大変になるという悪循環につながることがあります。

「膝が痛いから運動しない」のではなく
「今の膝の状態でできる運動を選ぶ」ことがポイントです。

自宅でできるおすすめの運動

ここからは、比較的取り組みやすい運動をご紹介します。

ただし、変形性膝関節症の状態や痛みの原因は一人ひとり異なります。無理にすべて行うのではなく、ご自身の身体の状態に合わせて行ってください。
1膝伸ばし運動

まずは座った状態でできる運動です。

椅子に座って片方の膝をゆっくり伸ばす運動
椅子に深く座り、片方の膝をゆっくり伸ばします

方法

  1. 椅子に深く座ります。
  2. 片方の膝をゆっくり伸ばします。
  3. 膝を伸ばしたところで2〜3秒程度止めます。
  4. ゆっくり元の位置に戻します。
左右それぞれ 10回程度 から始めてみましょう

ポイント

勢いをつけて膝を伸ばすのではなく、太ももの前の筋肉を意識しながらゆっくり動かします。

痛みが強い場合は、無理に最後まで伸ばす必要はありません。

2椅子からの立ち座り運動

日常生活の「立つ」「座る」という動作そのものをトレーニングにします。

椅子から身体を少し前に傾けてゆっくり立ち上がる運動
身体を少し前に傾けてから、ゆっくり立ち上がります

方法

  1. 安定した椅子に座ります。
  2. 足を肩幅程度に開きます。
  3. 身体を少し前に傾けます。
  4. ゆっくり立ち上がります。
  5. ゆっくり椅子に座ります。
まずは 5〜10回程度 から行ってみましょう

ポイント

膝だけで立ち上がろうとせず、股関節も使うことを意識します。立ち上がるときに膝が内側へ入ってしまわないよう注意しましょう。

不安定な方は、机や手すりなど安全な場所につかまって行ってください。

3かかと上げ運動

歩くときに使うふくらはぎの筋肉を鍛える運動です。

椅子につかまり両方のかかとをゆっくり上げる運動
椅子や壁につかまり、ゆっくりかかとを上げ下げします

方法

  1. 椅子や壁などにつかまって立ちます。
  2. ゆっくり両方のかかとを上げます。
  3. ゆっくり下ろします。
10〜20回程度 を目安に行います

ポイント

バランスを崩さないよう、必ず安全な環境で行いましょう。

4横向き脚上げ運動

膝だけではなく、股関節周囲の筋肉を鍛えることも重要です。

横向きに寝て上側の脚を伸ばしたままゆっくり持ち上げる運動
横向きに寝て、上側の脚をゆっくり持ち上げます

方法

  1. 横向きに寝ます。
  2. 下側の膝を軽く曲げます。
  3. 上側の脚を伸ばしたまま、ゆっくり持ち上げます。
  4. ゆっくり元に戻します。
左右 10回程度 から始めましょう

ポイント

身体が後ろへ倒れないようにすることがポイントです。

「運動すると少し痛い」場合はどうする?

ここは患者様から非常によく質問されるポイントです。

運動中に少し違和感があるからといって、必ずしもすべての運動を中止する必要があるわけではありません。一方で、強い痛みを我慢して続けることもおすすめできません。

大切なのは、次の3点を確認することです。

運動したときに
どの程度痛むのか
運動後に痛みが
どのくらい続くのか
翌日になって症状が
大きく悪化していないか

運動後に強い痛みや腫れが続く場合には、回数や負荷が強すぎる可能性があります。その場合には、次のような調整が必要です。

回数を減らす動かす範囲を小さくする負荷を軽くする一度休む

大切なのは「たくさんやること」より「続けること」

運動というと、「毎日30回やらないといけない」「きつい筋トレをしないと筋肉がつかない」と思われる方もいらっしゃいます。

しかし、最初から頑張りすぎて痛みが強くなり、運動自体をやめてしまっては意味がありません。

まずは「これなら無理なく続けられる」
という運動量から始めてみてください。

身体が慣れてきたら、少しずつ回数や負荷を増やしていきましょう。

同じ変形性膝関節症でも、必要な運動は人それぞれ

今回ご紹介した運動は、ご自宅でも比較的取り組みやすいものです。ただし、「変形性膝関節症だから、この運動をすればいい」というわけではありません。

例えば同じ膝の痛みでも、次のような違いがあります。

  • 太ももの筋力が低下している方
  • 股関節の動きが悪い方
  • 足首が硬い方
  • 歩き方に特徴がある方
  • 膝の曲げ伸ばしが制限されている方

これらの方では、必要となる運動や注意点が異なります。

そのため、リハビリでは膝だけを見るのではなく、筋力や関節の動き、歩き方、普段の生活などを確認しながら、その方に合った運動を考えていきます。

あわせて読みたい

膝の痛みについては、専門サイト「joint-reborn.jp」でも詳しく解説しています。足首の捻挫については「joint-nenza.jp」をご覧ください。

まとめ

変形性膝関節症では、痛みがあるからといって身体をまったく動かさなくなると、筋力や体力が低下してしまうことがあります。

大切なのは、「痛い膝を無理に鍛える」ことではなく、「今の身体の状態に合わせて適切に運動する」ことです。

次のようなお悩みがある方は、自己判断で無理をせず、医師や理学療法士へご相談ください。

  • 自分の場合はどんな運動をすればいいの?
  • 運動すると膝が痛くなるけれど、このまま続けて大丈夫?
  • 最近、歩くのがつらくなってきた

さくら通り整形外科クリニックでは、患者様一人ひとりの身体の状態や生活に合わせて、リハビリテーションを行っています。

膝の痛みを少しでも軽くし、「歩きたい」「出かけたい」「旅行に行きたい」など、その先にある生活を実現するために、一緒に身体づくりを考えていきましょう。

膝の痛み、あきらめていませんか?
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。効果や症状の変化には個人差があります。運動を始める前に、医師または理学療法士にご相談ください。運動中に強い痛みが出た場合は中止し、医療機関にご相談ください。

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