産後の不調を我慢していませんか? ~産後の身体の変化とリハビリについて〜

出産は新しい命を迎える喜びにあふれた出来事です。しかしその一方で、お母さんの身体には大きな負担がかかっています。

出産後、「腰が痛い」「肩こりがひどくなった」「疲れやすい」「尿もれが気になる」など、さまざまな不調を感じる方は少なくありません。

この記事でわかること

  • 産後の身体に起こる変化とその理由
  • 腰痛・肩こり・尿もれなどよくあるお悩み
  • リハビリでできる回復のサポート

赤ちゃんのお世話に追われる毎日のなかで、自分の身体のことはつい後回しになってしまいがちです。また、「産後だから仕方ない」「そのうち良くなるだろう」と我慢してしまう方も多くいらっしゃいます。

しかし、産後の身体は妊娠前とは大きく異なる状態にあり、回復には時間が必要です。適切なケアや運動を行うことで、不調の改善や予防につながる場合もあります。

今回は、産後の身体の変化、よくあるお悩み、そしてリハビリでできることについてご紹介します。

赤ちゃんを抱きながら腰に手を添える産後のお母さん

1.産後の身体の変化について

妊娠中、お母さんの身体は赤ちゃんを育てるために少しずつ変化しています。

お腹が大きくなるにつれて身体の重心は前方へ移動し、姿勢も変化します。腰を反らせるような姿勢になるため、腰や背中には普段以上の負担がかかっています。

また、出産に向けて身体は赤ちゃんが産まれやすい状態を作るため、関節や靭帯を柔らかくします。その影響で、産後もしばらくは身体が不安定な状態になりやすいといわれています。

さらに、妊娠中は運動量が減ることも多く、筋力や体力が低下しやすくなります。特にお腹まわりや骨盤まわりの筋肉は大きく変化するため、出産後は身体を支える力が弱くなっていることがあります。

出産後は身体が回復へ向かう時期ですが、同時に育児も始まります。赤ちゃんのお世話では、身体を使う場面がたくさんあります。

  • 抱っこ
  • 授乳
  • おむつ交換
  • 沐浴
  • 寝かしつけ

また、夜間授乳などによる睡眠不足も加わり、身体の疲れが取れにくくなります。そのため産後は、さまざまな不調が現れやすい時期なのです。

2.よくあるお悩みについて

腰痛

産後のお母さんに最も多くみられる症状のひとつが腰痛です。

妊娠中から続く姿勢の変化に加え、抱っこや授乳など前かがみの姿勢が増えることで腰への負担が大きくなります。

赤ちゃんは成長するにつれて体重も増えていきます。そのため抱っこによる負担がかかった結果として起こることがあります。

お腹が戻らない

「体重は戻ったのにお腹だけが気になる」
そんな悩みを抱える方も多くいます。

妊娠中は赤ちゃんの成長に合わせてお腹の筋肉が伸ばされています。そのため出産後はお腹に力が入りにくくなり、ぽっこりお腹が続くことがあります。

また、筋力の低下によって姿勢が崩れやすくなり、さらにお腹が出て見える場合もあります。

疲れやすい

産後は体力が大きく低下している状態です。そこへ睡眠不足や育児による疲労が重なることで、次のように感じる方も少なくありません。

「少し動いただけで疲れる」
「家事をするだけでぐったりする」

身体が十分に回復する前に無理を続けると、不調が長引いてしまうことがあります。

気分の落ち込みや不安

産後は身体だけでなく心にも変化が起こります。慣れない育児への不安や睡眠不足、生活環境の変化などによって気持ちが不安定になることがあります。

「うまくできていない気がする」
「理由もなく涙が出る」

と感じることもありますが、決して珍しいことではありません。身体の不調が続くことで、さらに気持ちが落ち込みやすくなることもあります。

理学療法士の指導で産後の体幹トレーニングを行う女性

3.リハビリでできること

産後リハビリは、妊娠・出産によって変化した身体の回復をサポートするための取り組みです。一人ひとりの身体の状態に合わせながら、無理のない範囲で行います。

姿勢を整える

産後は猫背や反り腰になりやすく、腰痛や肩こりの原因になります。リハビリでは現在の姿勢を確認し、身体への負担が少ない姿勢や動作を身につけていきます。

抱っこや授乳の方法を見直すだけでも、身体への負担が軽くなることがあります。

腰痛や肩こりの改善を目指す

ストレッチや運動を行い、筋肉の緊張を和らげます。また、身体を支えるために必要な筋肉を少しずつ使えるようにしていくことで、痛みが出にくい身体づくりを目指します。

お腹まわりの筋力回復

出産後はお腹の筋肉が弱くなっています。リハビリでは呼吸を意識した運動や体幹トレーニングなどを行い、お腹まわりの筋力回復を目指します。

急な腹筋運動ではなく、身体の回復に合わせて安全に進めていくことが大切です。

尿もれ改善のための運動

尿もれの改善を目的とした運動を行うこともあります。適切な方法で継続することで、症状の改善が期待できます。早い段階から取り組むことで、将来的なトラブルの予防にもつながります。

体力づくり

産後は体力が低下しているため、少しずつ身体を動かしながら体力の回復を目指します。体力が回復すると、日常生活の負担軽減につながります。

  • 抱っこが楽になる
  • 家事がしやすくなる
  • 疲れにくくなる

日常生活のアドバイス

リハビリでは運動だけでなく、日常生活での身体の使い方についてもお伝えします。例えば、次のような動作を工夫することで、身体への負担を減らすことができます。

  • 抱っこの仕方
  • 赤ちゃんの抱き上げ方
  • 立ち上がり方
  • 床から物を拾う方法

まとめ

産後の身体は、妊娠・出産による大きな変化から回復している途中の状態です。腰痛や肩こり、尿もれ、お腹のたるみ、疲れやすさなどの不調は、多くのお母さんが経験するものです。

「産後だから仕方ない」と我慢する必要はありません。

リハビリでは、一人ひとりの身体の状態に合わせて運動や身体の使い方をお伝えし、産後の回復をサポートします。

赤ちゃんのお世話を続けるためには、お母さん自身の健康も大切です。気になる症状がある方は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。

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