こんにちは!
さくら通り整形外科クリニック院長の宇賀治修平です。
今回は「足関節捻挫」と言われているものの中に、実はもっと深刻な損傷が隠れている可能性がある、というお話をします。
足首をひねった経験、皆さん一度はあるのではないでしょうか?多くの方が「捻挫=軽症」と思いがちですが、実はその裏に重大な損傷が潜んでいることが少なくありません。
捻挫は氷山の一角。見えているのはほんの一部で、実際には複数の組織が損傷していることもあるのです。
今回は特に重要な7つの損傷をわかりやすくご紹介し、正しい知識と対処法を知っていただければと思います。
前距腓靱帯損傷(ATFL)
湿気・高温・直射日光は厳禁
薬は30℃以下の涼しくて暗い場所に保管するのが理想です。夏の車内や窓辺など、高温になる場所は避けましょう。
子どもの手の届かない場所に
特に小さなお子さんがいる家庭では、高い場所に置くなどして誤飲を防ぐ工夫が必要です。
見た目重視の容器に入れ替えない
薬の包装には湿気や光から守る工夫がされていることが多く、安易な入れ替えはおすすめできません。
処方薬は人にあげない・残りを勝手に飲まない
処方薬は**「あなたのためだけ」に出された薬**です。他人にあげたり、体調が違うときに飲むのは非常に危険です。
踵腓靱帯損傷(CFL)
前距腓靱帯と並んで外側の安定性を保つ靱帯です。
こちらも内反捻挫で損傷し、外くるぶしのやや後ろ・下側に痛みが出ます。
見逃されやすく、放置すると慢性的な不安定症につながることも。
前距腓靱帯と同様のリハビリ・固定が基本になりますが、診断の際にはMRIが有効です。
腓骨筋腱脱臼
靱帯だけでなく、腱にも注意が必要です。
外くるぶしの後ろにある「腓骨筋腱」が脱臼すると、歩いたり動かしたときに“ポコッ”とズレる感覚があります。
捻挫と間違えやすいため、慢性的に痛みが続くときは要注意!
軽度ならギプスや装具での保存療法、再発が多い場合は手術も必要になります。
二分靱帯損傷
足の外側アーチを支える重要な靱帯で、踵骨から立方骨・舟状骨へとつながっています。
足背外側〜足底外側に痛みが出やすく、見逃されやすい。
腫れが軽いため、「ただの捻挫」と誤診されることもあります。
診断にはMRIが有効で、重度でなければテーピングやインソールでの治療が可能です。
踵骨前方突起骨折
足の中央部、「足の甲」の部分にある靱帯の損傷です。
リスフラン靱帯は、足根骨と中足骨を繋ぐ重要な靱帯で、ここが損傷すると足の中央に鋭い痛みが出ます。
交通事故やジャンプ着地の失敗など、大きな外力が加わると起こります。
初期には単なる捻挫と思われやすく、診断にはMRIやCTが不可欠。
重度では手術が必要になることもあります。
リスフラン靱帯損傷
・大人の薬を少量にして飲ませるのはNG!
子どもは代謝や感受性が異なるため、必ず子ども用の処方薬を使用してください。
・飲ませ方に工夫を
粉薬は水で練って上あごに塗る、シロップはスプーンで慎重に与えるなど、年齢や性格に合った方法で。
・子どもには言葉で説明し、褒めてあげる
「お薬は元気になるためのもの」と説明して、飲めたらしっかり褒めてあげましょう。
第5中足骨基部骨折(Jones骨折)
足の小指側にある骨の付け根で起こる骨折です。
ジャンプの着地や走行中の外側への体重負荷で発生しやすく、「スポーツ選手に多い骨折」としても知られています。
足の外側に激痛と腫れが出るのが特徴。
単純X線で確認できない場合もあり、MRIでの評価が必要です。
保存療法(免荷・ギプス固定)が基本ですが、アスリートや重度の場合はスクリュー固定手術も考慮します。
【足関節の損傷を予防するには?】
足のケガを予防するには、「筋力」「バランス」「靴選び」がカギ!**以下のような工夫が効果的です。
足首・足部の筋力トレーニング(特に内外側のバランスを意識)
片足立ち・バランスボードでの感覚トレーニング
運動前後のストレッチと段階的な負荷のかけ方
足に合ったシューズとインソールの使用
再発予防のためのテーピングやサポーターの使用
まとめ
足首の捻挫という言葉に油断してはいけません。
その背後には、靱帯損傷・腱脱臼・骨折といった多様な損傷が隠れていることがあります。
軽症と思って放置すると慢性化や後遺症のリスク
診断にはX線だけでなくMRI・CT・超音波を組み合わせることが大切
治療は保存療法~手術まで幅広く、リハビリが復帰のカギを握る
ケガをしたら、まずはきちんと診てもらうこと。
そして、正しいリハビリと予防策を取り入れて、再発を防ぎましょう。
これらの話をまとめたのがコチラ