TRIGGER FINGER

指が引っかかる、
朝がいちばんつらい。

曲げた指が伸ばせない。伸ばそうとすると、カクンと跳ねるように戻る。——それは「ばね指(弾発指)」かもしれません。使いすぎや年齢のせいと考えて、そのままにしている方が多い症状です。

保険診療エコーで確認指のこわばり腱鞘炎
朝、手を握ったり開いたりして指の動きを確かめている様子(イメージ)

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CHECK

こんな症状はありませんか

  • 朝起きたとき、指がこわばって動かしにくい
  • 曲げた指を伸ばすとき、カクンと引っかかる
  • 指のつけ根(手のひら側)を押すと痛い、しこりのような膨らみがある
  • 指のつけ根が腫れぼったく、握るとつらい
  • 反対の手で引っぱらないと、指が伸びない
  • 曲がったまま、あるいは伸びたまま動かなくなってきた
指のつけ根(手のひら側)を、反対の手の親指で押さえている様子(イメージ)
※ 写真はイメージです

ひとつでも当てはまる場合、指の腱と、それを包む「腱鞘(けんしょう)」のあいだで、引っかかりが起きている可能性があります。

ABOUT

ばね指とは、どのような状態か

指を曲げ伸ばしする腱は、手のひら側で腱鞘というトンネルの中を通っています。腱鞘は、腱が浮き上がらないように押さえる役割をしています。

手を使いすぎたり、腱や腱鞘に炎症が起きたりすると、トンネルが厚くなり、腱の側も膨らんできます。すると腱がトンネルをスムーズに通れなくなり、引っかかりが生じます。無理に力を入れると、引っかかりが外れた瞬間に、ばねが弾けるように指が跳ねます。これが「ばね指(弾発指)」と呼ばれる理由です。

指を横から見た模式図。左は腱が腱鞘の中をなめらかに通る正常な状態、右は厚くなった腱鞘に、膨らんだ腱が引っかかっている状態

左:正常な状態腱が腱鞘(トンネル)の中をなめらかに滑ります
右:ばね指腱鞘が厚くなり、膨らんだ腱が入り口で止まります
※ 仕組みをわかりやすく示した模式図です
痛みの原因は「関節」ではなく、
指のつけ根にある腱と腱鞘です。

そのため、指の関節そのものが変形する病気(へバーデン結節や関節リウマチなど)とは、原因も対応も異なります。見分けるには、痛む場所と、指の動き方を確認する必要があります。

WHO

起こりやすい方

01手をよく使う方仕事や家事、スポーツ、楽器の演奏などで、指を繰り返し使う方に起こりやすいとされています。
02ホルモンの変化がある時期妊娠中・産後の方、更年期の女性に多くみられます。指のこわばりとして自覚されることがあります。
03持病のある方糖尿病、関節リウマチ、透析を受けている方では、起こりやすいことが知られています。複数の指に生じることもあります。

台所で手を使って調理をしている様子(イメージ)
※ 写真はイメージです

親指、中指、薬指に起こりやすく、一度おさまっても、同じ指や別の指に繰り返すことがあります。

こんなときは早めにご相談ください指が曲がったまま伸びない、腫れや熱感が強い、複数の指に同時に症状が出ている、しびれを伴う——こうした場合は、ばね指以外の原因が隠れていることもあります。

STAGE

進み方には段階があります

  1. 指のつけ根の痛み・違和感押すと痛い、朝だけこわばる。動かしているうちに軽くなることが多い時期です。
  2. 引っかかりを感じる曲げ伸ばしの途中で、ひっかかる感じが出てきます。まだ自分で動かせます。
  3. カクンと弾ける引っかかりが外れる瞬間に、指が跳ねます。痛みを伴うことがあります。
  4. 自分では伸ばせない反対の手で引っぱらないと伸びない、あるいは曲がったまま動かなくなります。

早い段階で対応できれば、安静や装具、注射などで落ち着くことが多い症状です。一方で、動かせない状態が続くと、指の関節そのものが硬くなり、引っかかりが取れたあとも動きが戻りにくくなることがあります。

「そのうち治る」で様子を見るほど、
戻すのに時間がかかります。

EXAMINATION

当院での診察

  • 問診:いつから、どの指が、どんなときに引っかかるか。仕事や家事での手の使い方、持病の有無をうかがいます。
  • 診察:指のつけ根を押したときの痛み、しこりの有無、曲げ伸ばしのときの引っかかりを確認します。左右で比べます。
  • 超音波(エコー):腱と腱鞘の厚み、炎症の程度を、その場で画面を見ながら確認します。指を動かしながら観察できるため、引っかかりの様子も確かめられます。
  • レントゲン・MRI:関節の変形など、ほかの原因が疑われる場合に行います。

ばね指は、診察と超音波(エコー)で判断できることが多い症状です。当院はエコー診療に力を入れており、画像を一緒にご覧いただきながらご説明します。

診察室で、手指に超音波(エコー)を当てて腱の状態を確認している様子(イメージ)
※ 写真はイメージです
似た症状との区別指のしびれを伴う場合は手根管症候群、第一関節の変形を伴う場合はへバーデン結節、親指のつけ根の痛みは母指CM関節症など、別の状態が隠れていることがあります。診察では、これらの可能性もあわせて確認します。

TREATMENT

治療の進め方

多くの場合、手術をせずに様子をみる方法から始めます。段階と症状に応じて、次のように組み立てます。

方法 内容 考え方
手の使い方の調整 負担のかかる動作を減らす、作業の合間に休む まず炎症を落ち着かせます
装具・テーピング 指のつけ根を安静に保ちます 夜間だけ使う方法もあります
外用薬・内服薬 炎症と痛みをやわらげます 症状と体質に合わせて選びます
腱鞘内への注射 炎症を抑える薬を、腱鞘の中に注射します 引っかかりが強いときに検討します
手術(腱鞘切開) 厚くなった腱鞘を切り開き、腱の通り道を広げます 繰り返す場合、伸びない場合に検討します。連携する医療機関にご紹介します
診察室で医師が手指の状態について説明している様子(イメージ)
※ 写真はイメージです

注射について

腱鞘の中に炎症を抑える薬を注射する方法は、引っかかりが強いときに検討します。効果の出方や続く期間には個人差があり、症状がぶり返すこともあります。短い間隔で何度も繰り返すことは、腱への負担を考えて避けます。回数や間隔は、経過を見ながらご相談します。

手術について

注射をしても繰り返す場合や、指が伸びない状態が続く場合には、手術が選択肢になります。厚くなった腱鞘を切り開いて、腱の通り道を広げる手術です。

当院では手術は行っておりません。手術が必要と判断した場合は、連携する医療機関にご紹介します。紹介先で手術を受けたあとのリハビリテーションは、当院で継続していただけます。

先に確かめることどの方法が適しているかは、症状の段階、指の状態、お仕事や生活での手の使い方によって変わります。いきなり治療を決めるのではなく、まず今どの段階にいるのかを確認するところから始めます。

SELF CARE

ご自身でできること

  • 痛みが強いときは、握る・つまむ動作を減らす。重い物は手のひら全体で持つ
  • 指のつけ根を強くもんだり、引っかかりを無理に外そうとしたりしない
  • 朝のこわばりが強い日は、温めてからゆっくり動かす
  • 症状が出ている指を使う作業は、時間を区切って休みを入れる
ご注意くださいストレッチやマッサージの方法は、症状の段階によって適否が変わります。強く伸ばすと、かえって炎症が長引くことがあります。自己流で続ける前に、一度ご相談ください。

FAQ

よくあるご質問

Qばね指は、放っておいても治りますか?

A軽い段階で手の使い方を見直すと、落ち着くことがあります。一方で、引っかかりが強くなったり、指が伸びなくなったりした場合は、そのままでは戻りにくくなります。症状が2週間以上続くようであれば、一度ご相談ください。

Q注射はすぐに受けられますか?

A診察と超音波(エコー)で状態を確認したうえで判断します。症状の段階によっては、まず装具や薬で様子をみることもあります。

Q手術が必要と言われたら、どうなりますか?

A手術は当院では行っておらず、連携する医療機関にご紹介します。手術の内容や手術後の経過については、紹介先の医療機関からご説明があります。当院では、手術後のリハビリテーションを継続して受けていただけます。

Q何科を受診すればよいですか?

A整形外科です。手指の腱と腱鞘の状態を診て、必要に応じて超音波(エコー)で確認します。

Q両手の指に症状があります。関係はありますか?

A複数の指に生じることは珍しくありません。糖尿病や関節リウマチなど、背景に持病がある場合もあります。診察の際に、持病や服用中のお薬をお知らせください。

ABOUT US

当院について

整形外科専門医が診察院長の宇賀治修平が、手指の状態を診察します。
エコー診療腱と腱鞘の状態を、その場で画面を見ながら確認します。
院内MRI・レントゲンほかの原因が疑われる場合も、院内で検査できます。
リハビリテーション科理学療法士が在籍し、紹介先で手術を受けたあとの経過もサポートします。

さくら通り整形外科クリニックの外観
さくら通り整形外科クリニック(福井市日之出)

※ ばね指の診察・検査・治療は、公的医療保険の対象です(自己負担割合に応じた窓口負担が発生します)。金額は症状と行う内容によって異なりますので、受付にてお尋ねください。

関連ページ:一般整形 リハビリテーション科 初診の方へ

ACCESS

診療時間・アクセス

曜日 午前 午後
月・火・水・金 9:00〜13:00 13:30〜18:15
木・土 9:00〜12:45 休診

※ 初診の方の受付終了:月・火・水・金は午前11:30/午後17:00、木・土は午前11:45
※ 休診日:日曜・祝日
さくら通り整形外科クリニック(医療法人Eternabloom)/福井県福井市日之出4-11-17/駐車場50台 アクセスを見る

指の引っかかりは、
早い段階ほど戻しやすくなります

「使いすぎ」「年齢のせい」で様子を見る前に、
いま指に何が起きているのかを確かめにいらしてください。

宇賀治修平 院長

監修:宇賀治 修平さくら通り整形外科クリニック 院長

日本整形外科学会 整形外科専門医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター。2023年5月、福井市日之出に開院。超音波(エコー)を用いた診察と処置に力を入れています。

本ページは、ばね指(弾発指)について一般的な情報をお伝えするものです。症状のあらわれ方や経過には個人差があり、記載の内容がすべての方に当てはまるものではありません。診断と治療方針は、診察・検査のうえで医師が判断します。治療の効果を保証するものではありません。